スパッツ?レギンス?え?ゲートル?

最近スパッツのことをレギンスと呼ぶらしいじゃないですか。
でね、可愛らしいイラストを添えてレギンスを紹介する同人誌なんか買って読んでたワケですが…

レギンスとは【leggings】
レギングや、レギングスともいう。本来は乳幼児が冬に用いる足先まですっぽりと包み込む形になったニット製のパンツをいう。

足先を袋状に縫ったものや、野球などのユニフォームに使うアンダーソックスのようなそこの抜けた形になり、共布あるいは紐で土踏まずの部分に引っ掛けて留めるようになっているものもある。

また、くるぶしや膝上くらいまでの軍隊用革ゲードルや、これに似たデザインのジャージー製フットウェアもこうよばれる。

類似語にフィゾーやスキーパンツ、スパッツがある。

(新ファッションビジネス基礎用語辞典増補改訂第7版)


*レギンスとスパッツの違いは?

・もともとレギンスは、防寒用の幼児のパンツ。
・スパッツはもともとバレエの練習着。


だ、そうですよ。

この「新ファッションビジネス基礎用語辞典増補改訂第7版」が同じように引用してありました。
え?ちょっと待って?ゲートルなの?でもさぁゲートルって脛だよね?

面積のある布又は軟革をバックル又はボタンで固定するもの。世界の陸軍の装備としては第二次大戦頃までは上述の巻脚絆と共に双璧をなしていた。戦後現在は基本的に儀礼的な軍装としてのみ形を残している。脛全体ではなく、踝辺りのみを巻く小振りのレギンスは短ゲートル(半脚絆)と言われる。また、硬革の脛当てである革脚絆は、主に長靴の代わりとして用いられた。

どうやら軍装としてのレギンスは巻かないゲートルのことらしい。ていうかゲートルがあっての巻きゲートルか?
レギンスという言葉の綴りから考えるとこれぐらいの長さが妥当なようでもある。

レギンス は、leggings ですから、leg に関連する言葉ですよね。ですから、もともとは、ヒザから足首までをガードするものだったようです。(一般にleg は太モモの付け根から足首までとなっているのですが、leggings の場合では、ヒザから足首とするのが一般的なようです。)

そしてこれが変化して、・・・・ぴったりとフィットしたズボンも、レギンスと呼ぶようになったようです。ズボンとの区別は、ジッパーがついているかどうかで区別するようです。

スパッツ(spats) は、spatterdash (泥よけ) が縮まったものだそうです。

ですからもともとは、靴に砂や雪が入らないように、靴と足首を覆うもので・・・・現在でも登山用具で用いられているようです。

スパッツというのは、泥よけという意味ですので、ぴったりとしたズボンとは根本的に違います。ですからこれをスパッツと呼ぶのは日本だけのようです。(^^)

日本でスパッツと呼ばれるようになったのは、ロングスパッツ は、レギンスでもあるので、これが変化したぴったりしたズボンもスパッツと呼んでも構わないと思ったのかもしれません。

でも、そもそも最初からレギンスと呼ばずに、スパッツと呼んだのは何故でしょうか? もしかするとそれは、パッチという言葉が関係しているかもしれません。
最近ではほとんど聞かないかもしれませんが、モモヒキのことをパッチと言います。この語感が似ているので、スパッツにしたのかも・・・・?(^^)

ではパッチとは何語かというと、実はこれが朝鮮語なんだそうです。(^^)
しかも、宝暦(1751年〜1764年) ごろから流行りだしたそうです。

漢字では、〓昆 襠 (ぱっち) と書くそうです。(^^)

朝鮮はともかく、何か混同があったんだろうなという雰囲気。ロングスパッツとレギンスが混同されてスパッツ=レギンスになったというのはまぁありそうな話。
しかし、欧米ではスパッツと言ったら短ゲートル。

欧米では「レギンス」と呼ぶほうが一般的です。「スパッツ」というと、靴の上部から足首の部分を覆うカバー(いわゆるゲートルや脚絆と呼ばれるもの)の事を言う場合も多いです。しかし、その“いわゆるゲートル”の事を「レギンス」とも言ったりするのです。女性のファッションよりも、軍服などに詳しい人は「スパッツ」や「レギンス」というと、むしろこちらの方を思い浮かべるかもしれません。
つまり、いわゆるゲートルのことを「スパッツ」とも言えば「レギンス」とも言い、一方で足にピッタリフィットしたパンツのことも「スパッツ」とも「レギンス」とも言うわけです。
語源から考えると、スパッツの語源は「スパターダッシュ(spatterdashes)」であり、本来は靴の上部から足首を覆う用途のものが“本来のスパッツ”であった事が推測されます。一方でレギンスは足にピッタリとした衣類の用途のものが“本来のレギンス”であったと思われます。
レギンスは、元々は左右に分かれていました。それが、ストッキングからパンティーストッキングが生まれたように、左右合体して現在のレギンスの形になったようです。
この左右に分かれていたものを、下腿からブーツの上部に被せてはくようになったことから、スパッツとレギンスが同じような意味になったとも考えられます。

spatterdasheは泥で汚すものという意味。泥除けなんですね。
この記述だとレギンスは後からロングスパッツのことを指すようになったんでしょうか?元々衣服のことだった?
レギンスが左右に分かれていたことは、以外にも「人間失格」にレギンスが登場する場面でもわかります。

なに、自分だって、真夏に毛糸のセエターを着て歩くほど、いくら何でも、そんな、暑さ寒さを知らぬお変人ではありません。姉の脚絆(レギンス)を両腕にはめて、浴衣の袖口から覗かせ、以(もっ)てセエターを着ているように見せかけていたのです。

人に怯え、計算ずくのおどけを演じる葉蔵少年。セーターじゃなくて、レギンスを腕につけて、ウケを取ろうとするあたり、やっぱり十分「お変人」のような気が・・・

話の内容はさておき、文庫本では、「脚絆」に「レギンス」というふり仮名表記がされていました。

両腕にはめているわけですから、左右一体ではいくらなんでも不自由でしょう。とすればこの頃のレギンスはまだ現在の形ではないんですね。
カルソンとかトレンカなんてのもあるそうなんですが、こちらの説明でレギンスの名称が「脚絆」から現在の意味に変わった経緯に触れていました。しかし、

レギンス(leggings)の語源は戦時中のゲートルに代表されるすね当てや脚絆(きゃはん)のことを意味していて、その形状から近くは幼児用の防寒パンツの名称に使われていて、この呼称が女性ファッションのレギンスに流用されました。

乳幼児がはくニット製のレギンスが脚絆に似ているか疑問ですが…人間失格に登場したレギンスも左右分かれているはずですから、幼児用レギンスとは形が違うのではないでしょうか。はて。
こちらでは幼児用のレギンスは形が似ているだけで、スパッツが転じてバレエの練習着を指すようになったと書かれていますが、左右一体の形状になった理由には触れていません。

ニッセンで販売しているレギンスとスパッツっていうのは、外見はほぼ同じです。なので「レギンスと呼ぶかスパッツと呼ぶかっていうので年齢が分かってしまう」なんて言われたりすることもあるけれど、厳密に言うと、レギンスとスパッツは起源が違うものなんですよ。

レギンスっていうのは本来は幼児用の防寒用のパンツのことなんです。それに対して、スパッツはゲートル状のものが元となっていて、それが転じてパンツ状のバレエの練習着となったそうです。外見はほとんど同じでも、用途にはかなりの違いがあるっていうのに驚き!

ただ、ファッションの世界でもスパッツはゲートルであり、日本で言うスパッツはレギングかカルソンの別名というのが海外で一般的な認識と思われます。

本来の意味と関係なく日本だけでしか通用しないスパッツは、カルソン(calcon)、レギング(leggins)のことです。下着がアウター化したものです。タイツに近いカルソンの語源はイタリア語のカルゾーニ(cazoni)からフランス語へ転化したとされています。スパッツは、 spat(s),spatt(s)が語源で短いラッシャ地や絹地のゲートル(仏語)の一種です。外側でボタン、バックル、ファスナーで留め開閉できるようにした砂埃等が靴に入るのを防ぐ為にものです。


1986年頃からパリコレなどに登場。ボディコンブームなどでフィット感のある洋服の流行とともに、定着し始めました。下着のアウター化現象の黎明期です。丈もくるぶし丈、膝丈と徐々に短くなりました。その後、陸上競技選手などの間でもスパッツ着用者が急増。ブームとなりました。1990年頃になると主婦層に支持され市民権を得た下着(スパッツ)スタイルは、柄物まで登場してピークを迎えます。1993年頃、コレクションで復活し、レース付きなど下着そのままのデザインが主流になっています。

それにしても足に履くものだけで色々な種類があるもんです。こちらに解り易いイラストがありました。

 ちなみに「タイツ」と違うのは、形状が足首から先が出ている点で、これに土踏まずに掛かるストラップ状の部分が付けば「トレンカ」と言うそうだ。「トレンカ」なんか完全にスポーツジャージのボトムスだけどなぁ。

タイツ・トレンカ・レギンス・ニーソックスの違いがわかりますでしょうか?
中にはレギンスではなく「レンギス」と呼んでいる人も居るようですが、単に聞き間違ったんでしょうかね。
ニーソックスを正式には「オーバーニーレングスソックス」と言うようなので、一瞬ニーソのことかと思いましたが、欧米ではオーバーニーと略すようなので「レンギス」になる要素は無いと思います。
ちなみにニーソも種類があって、膝上のものがオーバーニー、腿の真ん中までくるのがハイサイだそうです。

サイハイソックスと混同されやすいのが、膝上までの丈のオーバーニーソックスだが、これらの靴下の差異を知らない男性からは両者が混同されていることが多い。また、『電車男』などで取り上げられる、美少女系キャラクターや萌えキャラが穿いているものは、その多くがオーバーニーソックスではなく、サイハイソックスである。現実に女性が履くと足が短い場合、特にミニスカートなどでは中に隠れかねない、また、足が長い場合でもサイハイだと足の長さや、個性が強調されすぎてしまうため、ハイソックスに似た形状のオーバーニーソックスの方が好まれる。

足が短いといわゆる絶対領域ができないので、サイハイソックスは日本人には向いていません。
それにしても、結局脛を覆うゲートルであったレギンスの名称が現在のように足全体を覆う衣服を指すようになった経緯がわかりません。腿まで伸びたり、さらに左右一体になって腰まで覆うようになったのはいつなんでしょう?それとも元々レギンスは衣服を指す言葉だったんでしょうか?
バレエに使われるタイツ的なものを指すようになってそこから転じたという記述も多いようですが、ゲートルとは長さが違いすぎます。レッグウォーマーならともかく。
それにタイツ的なものは中世の貴族が正装にしてたワケで、バレエならそっちに起源がありそうな気もします。
幼児用の防寒着の場合は、そもそも小さいので左右繋がって腰まで覆うようになったとしても不思議はないかもしれません。しかし人間失格の記述が気になるところです。「姉のレギンス」は左右分かれていたはず。過渡期にはそういうものもあった?
結局謎を謎のままにして終わるのだった。