アリシア観音

6話すげーよ6話。と今更。

まぁ大抵の場合感想はアリシア観音だか大仏だかなんか金色のヤツすげぇって話と、あの教育方針は感動的だとか危険だとかって話になるわけですが、私はルソーの教育論かよ!と思っちゃいました。どっかでみたことあったんで。でも検索しても該当部分が見つからないんだよなぁ「エミール」だったのは間違い無いんだけど。
どういう話かというと、アリシアさんみたいなすげーできた大人がですね、子供にそれと気付かれることなく見守って、自由にさせるんだと。それで本当の危険には近づかないように保護しながらも、子供が自分の意思で選択して危険に対処したように感じさせる。そういう教育ですかね。
なかなか素晴らしい考え方ってんで「エミール幼稚園」なんて名前にしてる施設もあるみたいです。
ルソー自体は問題がある人だったようですがね。
ジャン=ジャック・ルソー - Wikipedia

私生活においては、極度のマゾヒズム知的障害者性的虐待を行い妊娠させ次々に捨てるなど、性倒錯が顕著でもあり、自身の著書『告白』などでそれら様々な行動について具体的に触れている。少年時代には強姦未遂で逮捕されたこともあった。

ルソー本人の話はさておき。
まぁ相手があの真っ直ぐな灯里だからこそ成立する話だと私も思う。普通ある程度の年齢になってからそんな教育は無理でしょう。我が子に対して最初からこういう方針で臨むっていうならともかく、よその子だとどんな育ち方してるかわからんですからね。自由にさせたら増長して大変なことになるかも。理想の子供ありきなんですかね、結局。
実際のガキを相手にするのは犬の躾と同じであるとは、「教員免許を持っている」押井守が言ったことであります。アメとムチです。基本的にはなめられちゃいかんと。必要なら飴玉も身銭切って用意する。子供相手にはそれしかないと。言うこと聞きたくないんだったら、聞かなくても困らない相手の言うことなんか聞きませんよね。素直で自由というのはそういうことだ。
一応言っときますが押井さんは大変な愛犬家であり、犬とは家族であって我が子も同然の溺愛ぶりですから、子供と犬の躾が同じと言っても子供を貶めている意図はありません。それに犬と小学生の知能って、確か同じぐらいじゃなかったっけ?10歳ぐらいと同等じゃなかったかな?
そしてここはアリシアさんと同じになります。信頼関係を結ぶ為に・・・良く言う事を聞いてくれるなら、あなたのその喜びを相手と分かち合うこと。全身全霊で喜んであげること。
それがあなたの犬と灯里ちゃんの幸せであるのです。おろ?
まぁアリシアさんに褒めてもらえるなら犬でも火星猫でも水無灯里でも言うことを聞くさぁ。
ところで6話というかARIAってアニメはでっかいすごいんですよ。これみてくださいこれ。

 今回の挿話(エピソード)ではアリスさんが、灯里さんと「ネオ・ヴェネツィア」の主たる「開拓者・地図作成者・冒険家」という役割を交換しているようですね。、さらにはこの物語の主題のうちのひとつである「覗くこと」、あるいは「盗み見ること」が必ず挫折させられてしまうという事態も決定的なかたちで顕在化したように見えました。

 本日はそのような「覗き見る」女の子として表象されることの多いアリスさんの「眼球譚=目玉のおはなし」からお話を始めさせていただきたいと思います。しかる後に今回の挿話において見られた「異様な時間操作の技法」といくつかの注目すべき点を指摘させていただきたいと思います。

すごいね。作るのも批評するのも。
反復しながら逸脱する。確立された技法を踏襲しながら突然裏切る。作品自体に緊張感があるっていうの?そういう稀有なアニメだってことを事細かに説明している。
ところで押井押井ってうるせーと思うかもしれませんが、そういう「絵作り」「レイアウト」ということにこだわって理詰めで作品を作る人が押井さんですね。ここがこーゆー絵になるのは意味があるんだっ!ということを語らせたら止まらない人。演出とは見える(見せる)絵と聴こえる(聴かせる)音をコントロールすることであり、逆に言えば見えない(見せない)絵と聴こえない(聴かせない)音をコントロールすることである。
・・・というわけで押井ファンはARIA見ればいいと思うんだ。
以下批評で触れられた部分をいくつかチェック。
YouTube
2分辺りが窓ガラスに遮られ二重化する(窓に遮られた部分とそうでない部分に分かれる)アリス。
4分ぐらいからカフェ。4分17秒ぐらいではっとするアリスからネオ・ヴェネツィアの風景、再びカフェ。
5分前後、足を引いているアリス。30秒、目を見開くアリスから金色のアレ。
6分45秒、再びアレ。
7分、更に足を引いていたが少し戻すアリス。直後の遠景では足を出している。
YouTube
3分53秒辺りから橋がフェードイン。水面に映って円に近くなっている。