色々クリップ

現在放送中のTVドラマ『ケータイ捜査官7』で、押井守が各話監督を担当するという話が何度か出ていたが、8月27日、9月3日の2回の放送が、お待ちかねの押井守監督回となる。

水曜夜7時放送か。

押井守が、12月6日公開の『斬〜KILL』というオムニバス映画の総監修と、うち1話の監督を勤めることになった。

この映画は「チャンバラ」をテーマにして、押井氏の他に深作健太(『エルの乱 鏖殺の島』はどうしたの?)など計4人の監督が参加するオムニバスの映画。

押井氏は総監修の他、菊地凛子(『スカイ・クロラ草薙水素役)と藤田陽子(『真・女立喰師列伝』氷苺の玖実役)が出演する「ASSAULT GIRL 2」を監督する(「ASSAUT GIRL (1)」は『真・女立喰師列伝』に収録されている)。「ASSAULT GIRL 2」は謎の草原で黒の女性と白の女性が無言のまま戦うという謎の設定だそうで、理屈やストーリーは余所へやって、とにかくチャンバラを描くというコンセプトの模様。

そういえばキラーズ見てないな。

作画の人数きつかったんですねぇ。
3DCGの方が寸法を合わせるのに楽だけどやらせてくれない部分があったとか。何のこだわりなんだ?
スクリーンとモニターの「近さ」の違いなんて話も面白いですな。レイアウトに縮小コピーかける人がいるとは。

押井守「僕は高校生のときに学生運動やっていたんですよ。羽田闘争直後の68年頃のことです。」

インタビュー中身は相当に興味深い話です。これは参加してた人でなければ語れない。
大学生連中に比べたら地味だった様ですが、オルグやバリスト的なコトはやっていたそうで・・・挙句公安にマーク、そして親にバレて拘束され活動を離れたとか。

さすが戦車が来て街が壊されるのを待ってた人。あの頃はアカかった。
いちご白書的なノリでモテたりしなかったんかなぁ。若い頃の写真が可愛いって話題になってたこともあったし。

押井 アニメーションってさ……映画もそうなんだけど、時間が経てば経つほど、どんどん良くなるっていう、そういう基盤がないんだよね。昔やれてたことが、今できない。昔可能だったことが、今不可能。そういうことが、アニメーションの世界にはザラにあるんであってね。みんな漠然と、技術力って右肩上がりになるはずのものだ、それが自然の過程だって思ってるかもしれないけど、それはとんでもない話なんだ。誰かが懸命に支えない限り、どんどん下がるものなんだよ。

手書きのアニメは失われていくのか。まぁそうなんだろうな。

押井 どう考えてもね、僕はこれまで「映画を発明し直すこと」で監督足りえてきたんですよ。少なくとも、自分ではそう思っている。演出力がどんどんどんどんうまくなっていって、巧みになることで生き残ってきた監督ではないんだよ、自己分析すればね。「映画それ自体を発明してきた」のであってさ。

―――それも、「映画のための技術」とカップリングで発明してきたってことですね。

押井 うん。それがね、おそらく今後も僕の仕事なんだろうと。アニメーションの良さを守ろうという意志はね……それは、宮さん(宮崎駿監督)みたいなアニメーターにこそ、ふさわしい。僕がそれにもし共感したとしてもね、同じことはできない。できないし、するべきでもないと思っている。

映画っていうのはね、結局は一人の仕事ではありえない。人と組むことが映画なんですよ。この真理はね、変わらないよ。この真理を覆そうとするとどうなるか、そこから踏み外すとどうなるか。それはね、この夏もう1本の大作を見ていただければ、実によく分かる(笑)。優れた映画を作りだすことと、優れたイメージを生み出すことと、映画を作ること。それらは、依然としてまったく別のことなんですよ。

やっぱり言っちゃったw
こちらは前編でリンクされてるMGS4に寄せた文章。

ハリウッドのアニメーションが実現してみせたような、言ってみれば牧歌的な主題と方法論ならばともかく―彼らと同じ途を辿っていたのでは、その産業の規模において拮抗し得る筈もなく、したがってまた需要も派生しないことは明らかなのですから―ジャパニメーションと呼ばれたものがそうであったように、それは日本人の感性に基づく独自の様式でなければなりません。

ディズニーと勝負しないことですな。

この十数年を省みるなら、アニメーションの世界に関わる者が無意識に避けつづけてきたその課題を、技術と規模において正面から受け止めてきた者たちこそが、ゲームに携わる者たちだったのでしょう。
彼らは様々な世界における映像の成果を参考にしつつ(かつてアニメーションに携わっていた者たちがそうであったように)、独力で自らの様式を築き上げてきたに違いありません。
瞠目すべき成果も、また単に劣化コピーと呼ぶしかないものも含めて、夥しいCGIが量産され―それら全てをスキルの原資として自己の方法論を確立しつつある者もいる筈です。

MGS4」はその頂点を極めるものであり、小島秀夫というゲームプロデューサー/監督が現時点において<秘術>に最も近い存在であることは、確かなことのように思えます。
少なくともリアリズムと呼ばれる様式を基調とした映像表現に関する限り、それは間違いありません。
ハードのスペックや、技術者の自然成長的なスキルがそれを可能にした、と考えてはなりません。
彼の演出は「MGS」シリーズとともに大きく成長しており、今回の「MGS4」においては初期の作品の特徴だった早いテンポのカット回しや過剰とも思えるカメラワークは影を潜め、ようやくにして実現された映像それ自体の情報量―間違いなく、それは彼にとって久しく待たれていたものですが―を存分に活用した完成度の高いレイアウトと緩急のある時間軸、キャラクターの入念な演出、そう言ってよければ映画的な演出を随所に見出すことが出来ます。

イノセンス』でもおなじみのバセットだが、今回は一味違う。作品が変わればアプローチも違うのは当然なのだが、私は未だかつてスクリーン上をこれほど気持ちよく走りまわる犬を見たことがない。

そして、その疾走する犬の姿に〈新生・押井守〉を重ねてしまうのは私だけではないはずだ。

以前からハープの音色が好きだったものの、これまではうまくはまる作品がなかったそうなんです。今回は、背景としてアイルランドを想定していることもあり、合うのではということでした。それで試しにアイリッシュハープを意識した音で曲を作ってみました。

押井さんハープ好きなんですね。
歌も不思議なことやってるんだなぁ。

こぶしをまわさずまっすぐに発音してもらい、ブレス(息継ぎ)を意識させないよう、2小節ずつ別々に録音していくという手間のかかる方法で録音しました。物理的にはありえないことを人間の声でやることで、あたかも天から響く声のようにしたかったんです。