瑣末な事なんだろうか

変なニュースがあってもこれくらいなら洒落で済むんだけども。

なお、今回カモを引っ掛けるために利用されているトリックは、
フライホイールを使ってエネルギーを貯めておき、小さなインプットから大きなアウトプットを得たように見せかける、まあ定番といえば定番のネタ。
当たり前すぎる話だが、フライホイールを使う以上、発電の前には電力なり何なりのエネルギーを消費してフライホイールを回してやらなくちゃならないし、フライホイールから取り出せるエネルギーも、投入したエネルギー以上のものにはならない。

エネルギーの総和としてはいくらか減ってても時間当たりだとでっかくなるわけね。これが夢の装置ならコンデンサ回路って超技術なんかな。バッテリーとか滅茶苦茶すごくね?
で、

エネルギー保存則を理解できない人間にテクノロジー系の取材をさせるのはとても危険だ(新聞の信用的な意味で)。
これをチェックできなかったデスクはさらに恥の上塗りだな。

なんて書かれちゃってるけど、まぁそもそもこういう記事ってちゃんと読んでる人がどのくらいいるのかなーなんて思わなくもない。ツッコミ入れるような人は最初から信用してないし、興味の無い人は間違いに気付かない、だから誰も影響されない・・・なんてことになってないだろうか。
多分こういうのって新聞読む目的の中で優先順位が低い部分だよな。政治経済でも事件でもないし。
主な永久機関についてはWikipedia参照。

総ての熱機関において最大熱効率が1.0(100%)以上になることは決してないため、仕事によって発生した総ての熱を熱源に回収する事は不可能である

ロスの無い循環なんて無理だねぇ。
まぁ笑い話。でこっちは笑えない話。

「女性ランナー輝いた…妊婦さん完走、赤ちゃんも頑張った」という見出しで、妊婦がフルマラソン完走したって記事があったという。
いやあの・・・「赤ちゃんも頑張った」って、何の為に何を?運が悪いと死ぬよ?母親自重しろって話じゃないの?
当然医療サイドの反発を受けます。

妊娠中にフルマラソンを走りたいなんて相談を受けた医師に同情します。外来をやっていると時々ビックリするような相談を受けますが、このクラスとなると、そうそう経験できるものではありません。

わざわざ妊娠7ヶ月でマラソンを行なうことで、お腹の赤ちゃんにどんな影響があるかを普通の感覚なら考えます。マラソン参加は言うまでもなく自発的なものであり、誰かに強制されたものではありません。自分が妊娠中であっても走りたいという欲望のためだけに参加し、走った事になります。私は産科医ではありませんが、どう考えても胎児に好影響を与えるものと思えません。

子供の事は夫婦の問題であり、他人が口出しする問題でないとの意見も出るかもしれません。それも考え方と言えない事もありませんが、それでは愚挙を称賛している読売新聞は、もう暴挙としか言い様がないと考えます。もう一度、読売記事の見出しを読んでください、

こういう反応が起こることはちょっと考えたらわかりそうなもんだが・・・
影響力としてもこれはちょっと「バカが真似をする」可能性が高くてヤバ目じゃないかねぇ。喜ぶ人がいるからこういう記事が出てくるんだろうとも思うけど、読者を喜ばせれば良いってものではないはず。
今じゃメディア批判が多いのに、どうしてこういうの減らないんだろうな。