安かろう悪かろう

今のレートだと1バーツは2.7円ほど。カオマンガイというスープで炊いたご飯に鳥肉を乗せた料理がそこらの屋台で食えるのだが、これが30バーツほど。庶民の食べる食事として日本でいう牛丼みたいな位置づけ。レート的に考えると100円もしない激安料理なのだが、1カオマンガイ=1牛丼と考えると、こちらの本当の物価が見えて来る。

バーガーキングのワッパーJrセットが99バーツで、ポテトとコーラが付いて来る。こいつは3カオマンガイなので、レート的には270円くらいなのだが、3牛丼と考えると1000円以上だ。

定住先が見付かるまで滞在している今のサービスアパートメント(ホテルとアパートの中間みたいなの)は、一泊1700バーツ。レート的には5000円もしない部屋だが、カオマンガイ56杯分。牛丼56杯分と考えれば一泊2万円以上の高級物件ということになる。

そう、結局「物価が安い」と思われてるバンコクだって、日本と同じものを得ようとすればたいして変わらない金額になる。「物価が安い」のは、言い方は悪いが「もっと劣悪な製品」が存在してるというだけのことなのだ。

物価ってそういうものなんだなぁ。購買力平価とかそんなん?ハンバーガー指標にしたりとか。

「ああ、おれ日本人なんだなあ」とつくづく思ったのは、セブンイレブンで缶ビールを買ったときのこと。プルのまわりにぽつぽつと黒い砂か土のようなものが付いてたとき。

日本じゃ買った缶ジュースの類はその場であけて飲めるけど、バンコクじゃ一度水で洗ってからじゃないと飲む気になれない。

日本はオーバースペック、まったくその通り。町角のコンビニで買った缶ビールに直接口をつけて飲めるようにするために、いったいどれくらいのコストがかかってるのか考えたことがあるか?

不況だし安い賃金で買える商品が増えて欲しいとは思うけど、未だに中国産のウナギを買う気になれない自分としてはやっぱりオーバースペックであって欲しい。
日本の安全神話って食品なんかも含むんかな?
リソースが足りない医療なんかは、より高度な医療を提供する場所の方が「不快」になるという話がある。要は一番大事な「救命」に力を割いてるから快適さなんぞに構ってる余力が無いわけだ。ことは人の命に関わる。
食品なんかもそういう風になってくれて構わないと思うんだけどな。安全だけは死守して貰えれば、多少見てくれが悪いとか全く構わない。見てくれが悪いことの説明は欲しいけれども。割れせんべいなんてそれしか売れなくなってわざわざ割ってるって話すらあったよな。求められてるのは低コストで安全なものなんだ。