無知を誇って開き直る脚本家

とまあこんな感じで、普段ドラマを見ないから感想も言いづらいんだけど、とりあえずこのドラマの中でtwitterは別に重要じゃないってことは何となくわかりました。

てな感じでtwitterをネタにしたドラマがやってるというんでtwitterのTLが盛り上がってるわけですが。
散々突っ込まれネタにされた脚本家の態度がこれもん。

あのな、せめて「知る努力」とかしろよ、という感想を抱くのは当然なワケですが…こちらの考察が面白い。

 思った以上に見てる人が多かったのは、まあ、単純に題材が気になるからだろっていうのは別として、昼からすでに今日ドラマがやるっていう情報が行き交っていて、これは実況盛り上がるんじゃないかな、という思惑がみんなにあったからだと思う。脚本家の名前は、俺みたいにあまりテレビ見ない人でも知っているほど知名度があるし、ちょっと調べれば、その人がどんなドラマの脚本をやってきたのかはわかる。さらに、事前に流れてくる「あー、これは無理っぽい」と思わせるに足る情報の数々。

 つまり、ドラマが「どんなものになるか」は、ある程度みんなわかってたんじゃないかと思うのだ。

 今回の盛り上がりは「来るかな、来るかな……やっぱ来たー!!」ということで、要はみんながみんなで「やっぱ来た!」を共有したかったんじゃないだろうか。

確かに「素晴らしいものを期待して観ていた」なんて人は皆無だろうな。

だいたいこれだけ普及してるサービスで、ドラマの製作関係者のあたりだけ、ツイッターをアクティブに使ってる人がいない、なんてのは逆に考えづらい。

 簡単にわかることが反映されていないということは、そこには確信犯がいるということだ。俺が確信犯だとしたらこう考える。

ツイッターという、言葉だけは知られているけど、実際にそれがどんなものであるか知っている人がいないツールは、題材として非常に好都合。なぜなら、どう扱ってもいいから。撒き餌として便利」

 ただし、この考えかたが成立するには、条件がある。まずひとつは、実際にツイッターやってる人たちが世論に与える影響力ってのがテレビの影響力よりも小さいという前提。そうでないと、TLで俺が見た「リア充怖い(笑)」「ツイッター(笑)」みたいな反応のほうが力を持ってしまい、ドラマのリアリティは根幹からずっこけてしまうから。

 もうひとつ。大衆はバカだと思ってること。バカにしないとこうは考えられない。

 あとひとつあった。自分たちの作ってるものが、しょせんその場だけの消耗品で、そこに誇りとかがないこと。これは重要。数字を稼ぐ道具だと思えなければならない。

うんうん。当たらし物好きが多いだろうエンターテイメントの業界において、twitter如き知ってる人間が居ないってことはないよなぁ。確かにその通りだ。
ドラマ観てるみなさーん、バカにされてますよー。

 とまあ、もしここまで考えられて作られたものなら、うまい商売だなーと思うしかない。実際は知らね。うまい商売なんだけど、すげえやな商売だなーとも思う。

 いずれ現実をきれいさっぱり無視しさってるわけで、たとえドラマそのものがおもしろかったとしても、あとにはなんにも残らない。いや、金は残るのか。だけど、そんなこと繰り返してたら、信頼失うでしょう。最低限のリアリティも担保できてないんだから。次には次のブームが来るのかもしんないけど……なんか、そういうもんじゃねえだろう……。

信頼を失うもクソも、リアリティがあると思ってドラマ観てる人ってどのくらいいるんかな?

 テレビだって、コンテンツって商品を売ってるわけなんだけど、昔っからなんかおかしいなーと思ってたのは、それがいい商品であるかどうかを判断する基準もまた、テレビ自体が提供してたんじゃねーかなーみたいなこと。「テレビがこれおもしろいって言ったらからおもしろい」的な。なんか「次はこういうのがいい商品です」って自分でルール提示しといて、まっさきに自分でそれ作る。そのルール内でのゲームでたとえば視聴率みたいなのが動いてて、見てる人も一緒になってそのルールで動いてますっていう気がして、気持ち悪かった。特にバラエティみたいなの。

そういえば似たようなことでグーグル批判してる人がいたっけな。マスなメディアとはそういうものなのか。

 かつてはテレビ様の前で人は平伏するしかなかったんだけど、すでにこの世界には「テレビ様wwwww」っていう視点がある。テレビの人たちは、ツイッターがどんなものであるかは調べたかもしれない。そのうえで現実に即しないドラマを作っちゃっていいと思ったのかもしんない。ドラマはある程度は「典型」を視聴者に与えなきゃいけないんだけど、まだこの「典型」は押してけると思ったのかもしれない。

 だけど、その人たちは、きっと「テレビ様すげえ(笑)」っていう視点がネットにあることだけは知らなかったんじゃないかな。仮に知ってたとしても、そんなもん黙殺できるレベルのものだと思ったのかも。

 でもさー、別に俺ら、黙殺されて黙ってる必要もないんだよね。ブログ書けるし、ついったーでなんか言えるし、Ustできるしラジオできるし。「ついったーそんなんじゃねえよwww」って思ったらそう言う。現にそういう声が存在しているっていうのは、ほんとに無視していいほど小さなことなのかな。

うーん。携帯からでもネット上の情報は見られるけど、批判的な「声」を目にする事ができる人とできない人の断絶は依然としてあるってところかなぁ。電車男だって結局流行ったしねぇ。
未だこういうドラマを笑ったりする「テレビ様すげえ(笑)」って人はマイノリティということなのかな。