ややこしい

ニセ科学批判批判批判とか混乱するよね。

まず「ニセ科学」というものは科学で無いものが科学を偽装したものを指す。オカルトから疑似科学まで、一見理屈っぽくて論理的に可能なように見えるけど実は無理というようなものだったり、まだ証明できてない「未科学」のようなグレーゾーンまで幅広く存在する「科学っぽい」ものが「今現在本当に科学です」と主張しちゃったら「ウソつけ!ニセ科学!」と突っ込む。

「お前ニセ科学だろ!」と追求してる人は結構多い。プロの科学者からアマチュアの科学好きや逆にオカルトなんかが好きな人まで。動機も様々で面白いからネタにしてる人もいれば本気で問題視してる人もいるし、多分完全に片方だけってことは珍しくて問題視しながら面白がってる人が多い。
ただ、面白がってる部分があんまり目立って馬鹿にしている印象を与えたり、問題視しすぎて説教くさかったり、批判される側からしてみれば何かとカンにさわるという部分も有るのはわからなくもない。それで「批判の批判」が出てくるとまぁそんな感じのことらしい。
だけど「ネット右翼」みたいなもんで、相手から見ると同じような批判者の集団に見えても実はバラバラ、スタンドアローン・コンプレックスなわけですな。だから個別に対処するしかないはずなのだが、どうも「ニセ科学批判者」とひとくくりにしたがるので自体は泥沼化してしまうのである。やれやれ。
それはそうと困るのがこういうケース。

今回の議論では、tittonさんが労力をかけてまともな主張をしているのに対して、TAKESANさんが難癖をつけている(相手にしていない)ようにも見えるということがいえます。ニセ科学批判者は無礼だとか偉そうだとかいう印象をギャラリーに与えるかもしれません。

既に分かっている人にはTAKESANさんが別におかしなことを言っていないのは明らかなんですが、分かっていない人には分からない。誤解を生むリスクは比較的大きいかもしれません。

このtittonなる馬鹿野郎は批判者を批判して勝ちたいが為に「何ネタにマジレスしてんだよ?」とやらかす失礼極まりない輩なのだが、それに釣られて攻撃すればする程外野からは誤解されるリスクを背負わされてしまう。そうならないようにする為にはこういうタイプとはまともにやり取りしない方が賢明で、むしろやりとりを見守っている観衆を相手の背後に想定してそちらを説得するつもりで振舞わなければならないのである。
かつてオブイェクトの管理人が反戦平和主義のお花畑とやりあった時、まさにそうした目的で粘り強い応酬が行われ、やはりやりとりした相手は納得しなかったが目的達成としていた。
またこちらでは相手の土俵で勝負しない、批判の姿勢がどうしたといった付随的なことでなく現実を相手にして目的意識の有る議論をするという対応が提示された。

 自己矛盾することを言ってでもある論に反論したいというような人の主張は、現実の世界に足場を持ちようがない。tittonさんの主張がダメな理由は「論の中だけで閉じている」ことによる。「ニセ科学批判」という論が独立して存在しているという前提のもとでしか、tittonさんの論は効果を持たない。実際、議論の流れを見ても、具体的な例は何も出てきていない。批判の姿勢とか、メタな価値判断の部分しか議論できていない。論の世界だけで異議を出そうとする相手に対して、論のみの範囲で対応した場合、ダブルスタンダードの指摘等は可能だけど、わかりにくいものになる。その上、話をずらしたりそらしたり、自分の論に対する反論なのにわざとに独立の意見として扱うといった手法を使ったりするので、ダメさをわかりやすく示すのが難しくなる。メタな言葉の応酬になるからである。

ちなみにtittonさん、「水伝は科学じゃないと主張している」ってやらかしちゃったんですけど、

少なくとも最近の水伝は科学を自称していない、だから水伝は疑似科学ではないそうだ。水伝が科学を自称していないって、本当かな?「水からの伝言」を出版している株式会社アイ・エイチ・エムのサイトを見に行ってみたよ。

トップページに「波動と水を科学する」って書いてある。波動機器の歴史というページはもっとすごいよ。

要するに、江本氏は二枚舌なだけ。疑似科学だと批判されたら、「いやいやこれはポエムですから。科学なんて自称していませんよ」と逃げつつ、一方では「科学的な手順を守った実験で証明されましたよ」と宣伝している。「水伝は科学を自称していないから疑似科学ではない」などという主張は、二枚舌の江本氏を利することになる。江本氏は「波動機器」と称する怪しげな機械を高値で販売しており、「機器」である以上、ポエムやファンタジーでは宣伝にならないことは、「水からの伝言」問題を追いかけている人なら知っている。疑似科学批判批判もいいが、「水伝は疑似科学ではない」などと主張する前に、そういう背景を知る努力を行って欲しいものだ。

そしてコメント欄でクソ長ったらしいやりとりを重ねた末こんな風に言われてしまう。

賛同する人間の方が多いから正しいって言っているんじゃないんですよ。tittonさんによる疑似科学批判批判が間違っていても、多くの人が賛同したなら、tittonさん批判も必要でしょう。でも、現状では不要ですよね。少なくともここのコメント欄で続ける意味はありません。tittonさんの「現状の疑似科学批判のやり方は有効でない」ってのは、ブーメランです。tittonさんが有効な疑似科学批判批判をできるようになったら、相手してあげます。

tittonさんの疑似科学批判批判が間違っているということは既に何度も示しました。 tittonさんが理解できたかどうかは別問題ですが。反論の必要性についてですが、なるほど、自問自答が有効なこともあるでしょう。でもコメント欄でやる必要はありません。さらに言うなら、考える時間だって有限なのだから、時間を費やす価値があるものを考えたいのです。tittonさんの主張にそれだけの価値があることは示されましたか?価値があると思う人はもしかしたらいるかもしれませんが、そういう人が考えるのは自由にやってください。「今進んでいる方向の邪魔になる主張」だとしても、それなりの根拠があれば、きちんと考えます。

それに、tittonさんのほうにこそ、自問自答が必要だろうと思います。孤立無援が好きらしいですが、なぜ孤立無援なのか考えてみたほうがよいと思います。もしかして、疑似科学批判をしている連中すべてより、ご自分のほうが頭がいいとでもお考えなのでしょうか?自分は凡庸ではないと思い込みたい人には受け入れがたいことでしょうが、世の中、めったに「ユニークかつ正しい」主張はありません。

大体批判の批判は必要な批判なのかと。問題の有る批判が目に付けば批判サイドから「煽り過ぎ」と指摘されることもある。ニセ科学批判者の目的は批判の周知にもあるのだから、どうやって批判を広く受け入れて貰うかということはとっくに検討されるようになっている。蒸し返すだけならいらないし、ニセ科学批判は必要だ。

クソを味噌と言ってるヤツはなんとかしなければ。科学者は頑張っているし、科学に興味を持つ人はそれに協力できる。

彼らは全ての人に間違った情報に挑戦することを望んでいる。科学的研究は実験やピアレビューなどの厳しい方法を経て行われるが、一部の製品の表示や宣伝にはいいかげんな根拠のない主張がなされている。この報告書のなかである化学者が言っているように、訳のわからない戯言であることを確認できたら、それを声に出して主張することで誰を信じていいのかわからない人に教えてあげるべきだ。

この報告書では、「消費者の懸念により」食品からある種の物質を除くことについても言及している。一般の関心というのは非常に重要であるが、この報告書で栄養学者が指摘しているように、消費者が情報を与えられた上での選択ができるように明確な表示を行うことが食品企業の最も大切な基準である。同時にこれはFSAの任務でもある。一般の人々が決断するのに必要な情報を与えられていること、一般の懸念が正確な情報に基づくものであることを確保するのが我々の責任の一つである。

対象にしている製品は「ホメオパシーで抗マラリア作用がある錠剤」「ハーブによる寄生虫駆除剤」「ネスレの Activ8」「コンピューターのモニターからホメオパシー作用のある何かを放射して免疫系を強化するソフトウェア」「体から毒素を出す美容パッチ」「化学物質は使っていませんという食品」「消費者の要望によりグルタミン酸ナトリウムを排除しましたという生協」「消費者の苦情により安息香酸ナトリウムをソフトドリンクから排除したSainsbury’s」「電磁波から身を守るペンダント」「飲む酸素」「健康によいヒマラヤの塩」など

問い合わせはメールだったり電話だったりする。

いずれも販売業者に問い合わせたところ、質問が来るとは思ってもいなかったようでまともな回答はほとんどできていないことを明らかにした。だから多くの科学者が、おかしいと思ったことをただ質問するだけで間違った情報に対抗することができる。

デトックス」には薬物中毒や依存の臨床的治療以外には何の意味もない。本日若い科学者や技術者らが商品やダイエット法のデトックスという表示についての根拠を調べた調査書を発表し、一般の人に知らせるキャンペーンを始めた。

わかったことは

1)「デトックス」という言葉を同じ定義で使っているところはない

2) デトックスという表示の根拠はほとんどあるいは全く提供されなかった

3) ほとんどの場合、若い科学者が接触を試みた製造業者や小売業者は、ありふれたクリーニングやブラッシング製品を「デトックス」と名前を付け替えただけであることを認めた。

4) 値段はデトックスドリンクで1-2ポンドからデトックスバスアクセサリーで36.95ポンドまでであった。

この調査書によれば、企業や個人が足に貼るパッチから髪の毛をまっすぐにするための製品まであらゆるものの宣伝に「デトックス」という表示を使用しているが、「デトックス」を支持する根拠や説明はない。

あのホメオパシーが保険適用できなくなったイギリスではこんなのも。

科学とメディアは奇妙な同僚で複雑な関係がある。いつも科学者はジャーナリストが科学的にしっかりしていない研究を見出しで大きく伝えたり研究の都合の良い一部のみを抜き出して残りを無視したりして科学を間違って伝えることを嘆く。科学者にとって入手できる情報の全てをレビューしないことや研究の方法論やデータを吟味しないことは腹立たしいだけである。

だから私は、BMJに掲載されたの記事がメディアに注目されていくつかの冬の神話の偽りを暴いたことを嬉しく思う。BMJインディアナ大学の研究者がクリスマスに関連するいくつかの神話の根拠をレビューした記事を掲載したのだ。この記事は確かに一部の注目を集めたが、科学にとっては年末のほんの僅かの勝利でしかない。

FSAにとって最も関係のある問題は砂糖についてである。保護者が何と言おうと、砂糖の多い食品を食べると子どもが多動になることを示唆する根拠はない。このことは2006年の我々独自の研究でも同じである。

大体不確かな科学知識によって余計な心配を多くしすぎているという面がある。

こういういろいろなことが不意に、時には避けようもない状態で突きつけられる。避けられない、というのは例えばこういうことについて判断を迫るのが、いつもお世話になっている保育園の先生だったり、買い物の負担を避けようと思って加入した生協のチラシだったり、子どもの仲良しの友だちの保護者だったりするから。もちろん自分から本を読んだりインターネットで手に入れてしまったりすることもある。それぞれ素人が最善の結論をだそうと調べ始めると結構大変だったりする。

多くの夫君はなんだそれ、で笑ってしまうようなことが、子どものことは全て自分の責任だと一生懸命な真面目なお母さんにとっては真剣に悩む原因になったりする。心理的に疲れ果てもする。妻にしてみれば「何て大変なの」という事態が夫から見れば「勝手に悩んで勝手に疲れてる」だけだったりする。

敢えて悪者さがしをするなら、悪いのは「疑似科学の蔓延」であってそれがほとんどの場合ひたすら母親の負担を増やす方向に誘導するから。例えば「おかあさんはやすめハハキトク」なんて語呂合わせには母親への悪意しか感じない。なのにこれを言ってくる人は「善意」で「正しいこと」を教えてあげているのだから感謝しなさいという態度で向かってくる。いろいろな人に助けてもらわないと回らない共働き母には結構辛い。対策としてはもちろん当事者のリテラシーの向上も必要だけれど、余裕がないときに負荷をかけられると冷静な判断ができにくいのは仕方がない面もあるので、躓くかもしれない石を減らすことも大切。

上述のようなことを言っている人をみかけたら、そんなの心配しなくていいよと一言言うだけで、聞いていたお母さんの不安が少しだけ和らいで、子どもが理不尽に泣く回数が一回だけ減るかもしれない。

私は世の中の笑顔を増やしたい。

だからできれば疑似科学批判という「デバッグ」「ゴミ拾い」に参加してくれる人が一人でも多いといいな。

無知がニセ科学を蔓延させる時、その駆動力が「善意」だったりすることが事態をとても辛いものにしている。だからニセ科学批判は善意の人に届く程広く浸透しなければならない。
さて最後にコピペネタ。

ただのニセ科学ではもはや足りない!!

大ニセ科学を!! 一心不乱の大ニセ科学を!!

我々はわずかに小数

納豆ダイエットがやらせだっただけで「騙された」などと手のひらを返す連中に比べれば物の数ではない

だが諸君は一騎当千の真のビリーバーだと私は信じている

ならば我らは諸君と私で総兵力100万と1人の善意のMLM集団となる

我らを忘却の彼方へと追いやり、他者の価値観を口うるさく非難する科学狂信者を叩きのめそう

マジでビリーバーは不死身だから困るw