原発ネタ

古いネタみたいだけど面白いので。

原子力宣言(嘘)』 

諸君、私は原子炉が好きだ。 
諸君、私は原子炉が好きだ。 
諸君、私は原子炉が大好きだ。 

軽水炉が好きだ 
重水炉が好きだ 
高速炉が好きだ 
転換炉が好きだ 
BWRが好きだ 
PWRが好きだ 
GCRが好きだ 
ATRが好きだ 
FBRが好きだ 

福島で 柏崎で 
東通で 東海で 
浜岡で 美浜で 
敦賀で 玄海で 
高浜で  泊で 

この国内で行われるありとあらゆる原子力発電が大好きだ 


制御位置をならべた隔離弁の一斉閉鎖が 
轟音と共に主蒸気を遮断するのが好きだ 
点検エリアで吊り上げられた原子炉給水ポンプが 
分解点検でばらばらになった時など心がおどる 
操作員の繰る循環水の100インチ弁が冷却水を逆流するのが好きだ 
中性子線を放出して暴走する炉心から噴出してきた放射性蒸気を 
格納容器冷却系で強制凝縮させた時など胸がすくような気持ちだった 
ポジションをそろえた炉内の制御棒が中性子束分布を構成するのが好きだ 
教育訓練初期の新人が既に閉止しているバルブを何度も何度も締めつけている様など感動すら覚える 
使用済みの核燃料達を専用輸送容器に吊り込んでいく様などはもうたまらない 
異常加速するタービンで私の引き降ろしたトリップハンドルとともに 
金属音を上げる中間塞止弁がばたばたと緊急閉塞するのも最高だ 
僅かな残留核反応が炉心中心部で再臨界して発生した中性子SLC装置の90k高圧注入吸収剤でシュラウド外周ごと 
完膚なきまでに吸収しつくした時など絶頂すら覚える 
地元以外の地区からやってくる反核団体に罵詈雑言を言われるのが好きだ 
必死に守るはずだったプラントで事故が起き設備が損壊し 
報道されている様はとてもとても悲しいものだ 
経済産業省の無理難題に押し潰されて残業させられるのが好きだ 
○リーン○ースにウロウロされ 
夜逃げのようにMOX燃料を搬入するのは屈辱の極みだ 

諸君 
私は原発を 
夢のような原発を望んでいる 
諸君 
私と同部門に就く 原子力本部同僚諸君 
君達は一体何を望んでいる? 
更なる原発を望むか? 
停電と電圧低下の無い安定した供給体制を望むか? 
制御技術の限りを尽くし 
136万kWの出力を誇る 
大出力の発電プラントを望むか? 

ニュークリア ニュークリア ニュークリア 
「原発!!原発!!原発!!」 

よろしい 
ならば原子力だ 

我々は満身の力をこめて 今まさに設備を増設せんとする推進派だ 
だが 
この暗い逆風の底で半世紀もの間堪え続けて来た我々に 
ただの原発ではもはや足りない!! 
増殖炉を!! 
夢の原子炉高速増殖炉を!! 

我らはわずかに当社の一部門 
2000人に満たないサラリーマンに過ぎない 
だが、諸君は年間被曝量10mSv超過の現場対応要員だと 
保健安全センターが管理している 
ならば我らは諸君と私で 
年間許容総被曝量100,000mSvと50mSvの放射線管理区域作業員となる 
我々を認識の彼方へと追いやり 電気を無駄使いしている連中を叩き起こそう 
遮断器を投入して 送電を開始し エアコンをフル稼働させ思い出させよう 
連中に『新・電活生活』の味を思い出させてやる 
連中に『オール電化住宅』の快適性を思い出させてやる 
そう遠くない未来には 
奴らの感覚では思いもよらないエネルギー危機が迫っている事を思い出させてやる 

2000人の原子力部門の技術職員で 
関東圏内の電力の40%を供給しつくしてやる 


「全制御棒引き抜き開始」 
「福島第一原子力発電所初号機始動」 
「炉心臨界!!」 
「原子炉モードスイッチシャットダウン解除」 

『原子力本部本部長より 
 全原子力発電プラント操作室へ 
 目標、定格熱出力一定運転 
 プルサーマル発電!!』 

第二次核燃料リサイクル計画、状況を開始せよ 

征くぞ 諸君 

割と生死が隣り合わせな感じが元ネタと良いマッチングですねぇ。新人は必死にバルブを閉める。

こちらは色々あって削除されたサイトのミラーです。ネタがネタな上に立場も有って、本音を言った政治家のように責任取らされたらしい。
で、面白いんですが用語を先に理解しないと難しいかもしれないのでまずはコレ。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/hu06.html
色々な方式がありますが今回はこの騰水型。図のように炉心の熱で蒸気がタービンを回し、水に戻って循環するのが基本です。
水は冷却材、炉心から熱を取り出す役目ですね。漏れたりしてカラ焚きなんかしたら大変なコトですがメルトダウンする前に緊急停止でしょう。

冷却材に関する事故で最も深刻なものは、冷却材喪失事故である。ボイド(蒸気の泡)の異常な増加や冷却材の漏洩がこれに当たる。原子炉の冷却が十分に行われなくなると、メルトダウン(炉心溶融)を引き起こし、最悪の場合、原子炉は爆発に至る。これを防ぐ為に、原子炉には非常用炉心冷却装置(ECCS)を設けている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E5%8D%B4%E6%9D%90

重水と区別して軽水と呼ばれますがタダの水です。減速材を兼ねているのでいくらか汚染されます。

沸騰水型原子炉では、冷却材として軽水が使われており、核分裂による熱エネルギーは蒸気として取り出される。軽水には中性子の減速効果があるため、同炉では減速材としての役割も兼ねている。冷却材とタービンを廻す蒸気が同じであるため、これに関わる系をすべて遮蔽しなければならない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E5%8D%B4%E6%9D%90#.E6.B2.B8.E9.A8.B0.E6.B0.B4.E5.9E.8B.E5.8E.9F.E5.AD.90.E7.82.89.E3.81.AE.E5.86.B7.E5.8D.B4.E6.9D.90

トリチウムとかできてるかも知れませんが飲んだりしなければ平気です。

三重水素からの低いエネルギーのβ線は、人間の皮膚を貫通しないので、吸引したり飲み込んだりしない限り安全なはずである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0#.E5.8E.9F.E5.AD.90.E9.87.8F

原子炉関連施設内では外界に比べると高いレベルのトリチウムが存在し、炉の運転・整備、核燃料再処理時に発生したものが大気圏や海洋へ計画放出されている(施設起源トリチウム)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0#.E7.92.B0.E5.A2.83

重水*1も自然より多いでしょうけど、大量に飲んだりしなければ以下略。
減速材は核分裂の効率を上げる働きをします。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/ke37.html

ウラン-235は、スピードの遅い中性子(熱中性子)と衝突すると核分裂し易い性質があるため、ウランを燃料とする原子炉の中で核分裂を効率よく起こすためには、核分裂で生じた高速の中性子を熱中性子まで減速させる必要がある。

逆に核分裂を抑える場合は中性子を吸収する性質を持つ制御棒を挿入します。
さらに騰水型(BWR)の原子炉は冷却材のコントロールで反応制御ができます。

BWRの冷却材は原子炉内で沸騰しているので、増大する熱エネルギーに比例して冷却材中の蒸気の泡(ボイド)の量も増えてゆく。これは結果として冷却材の密度を低下させるが、軽水炉の冷却材は減速材でもあるため、冷却材の密度が減ると減速される中性子が少なくなり、そのため核分裂反応が減少していく。逆に核分裂反応が減少すると熱エネルギーが減って蒸気泡が減り、減速される中性子量が増えていくため、核分裂反応が増えていく。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B8%E9%A8%B0%E6%B0%B4%E5%9E%8B%E8%BB%BD%E6%B0%B4%E7%82%89#BWR.E3.81.AE.E8.87.AA.E5.B7.B1.E5.88.B6.E5.BE.A1.E6.80.A7

基本を踏まえたところで最後の注から引用。順番は前後します。
まずKK7中操、柏崎刈羽原発7号機中央操作室に関する注。

  • ABWR→アドバンスド・ボイリング・ウォーター・リアクターの頭文字。改良型沸騰水型原子炉のこと。
  • RIP→リアクター・インターナル・ポンプの頭文字。ABWRで採用された最新型の原子炉内部の水を再循環させるポンプ。
  • FMCRD→ファイン・モーション・コントロール・ロッド・ドライブの頭文字。ABWRで採用された電動駆動の制御棒駆動装置。

こっちは1F2中操、福島第一2号中央操作室。

  • 784MW→発電出力784メガワットだと中型出力の原発。車のエンジンで言う排気量とかエンジンパワーみたいなイメージ。
  • BWR4型→沸騰水型原子炉の形式の一種。今となっては旧型。
  • ノッチ駆動方式→従来型の制御棒駆動機構は制御棒の全挿入から全引抜までノッチ式で48段の段階的な制御しかできなかった。
  • PLR→プライマリー・ループ・リサーキュレイション、原子炉一次冷却水再循環系の略称。原子炉内の水を強制再循環させるポンプ系統。これで炉心流量を変化させると原子炉出力を調整できる。
  • CRD→コントロール・ロッド・ドライブの頭文字。制御棒駆動装置の略称。CR→コントロール・ロッド。
  • タービンバイパス弁→原子炉の蒸気をタービンへ流さずに直接復水器へ逃がす大きなバルブ。これを開けるとタービンへの蒸気供給が減るので発電出力も下がる。
  • SRI→セレクト・ロッド・インサートの頭文字。選択制御棒挿入装置。あらかじめ選んでおいた制御棒をSRI緊急挿入ボタンを押す事で複数緊急挿入できる。原子炉を完全停止しないで出力を抑えるのに使えるが、普通は絶対使わない。

その他。

  • DPI→ディスパッチ・パワー・インジケーターの頭文字。運転出力指示表示器の略称。
  • DPC→ディスパッチ・パワー・コントロールの頭文字。運転出力指示を表示すると同時にプラント自体の出力自動制御指令を出すもの。
  • 中性子密度増倍率計→中性子の増加率を示すメーター。核反応がどのように変化しているかを確認できる。反応増加が速すぎてこのメーターのレッドゾーンに入ってしまうと原子炉は緊急停止する。

で内容がこれですよ。

池谷「おお、すげー、タクミのやつ、高速ボタン押しっぱなしでパワーアップをしながら
   通常操作ボタンを小刻みに操作して中性子密度を警報値ギリギリにして
   パワーを上げていやがる!」
健二「見ろ!
   中性子密度増倍率計がレッドゾーンギリギリで上昇しっぱなしだぜ!
   しんじらんねーよ、まさに誤差1%以内の神業だ!」 

やめろwwwwwwwww

立花「信じられん、制御棒ドリフトテストスイッチと制御棒選択スイッチを高速で
   連打する事で複数の制御棒を駆動機構から引き外してドリフトさせ、
   そのまま一気にドリフトした制御棒を落下させてパワーを上げるなんて、
   そんなテクが・・・」
池谷「しかも、ドリフトによって急増した炉出力を抑える為にPLRの流量制御も
   同時に行っているぞ!」
健二「見ろ! 原子炉出力の上昇はほぼ直線的だ、余計な警報も出てねぇし、
   中性子密度増倍率計もレッドゾーンすれすれの、核反応全開加速。
   まったく信じられねぇ、
   反応度の印加と減少を平行に行ってバランスさせるなんざ、
   まるで炉心の核燃料反応が見えてるみてぇだぜ・・・」
イツキ「信じらないぜ、パワーが、パワーが上がって行く・・・
   制御棒が、ノーマルCRDなのに
   複数の制御棒が同時に駆動されているなんて・・・」
 
文太「フッ、制御棒ドリフト。制御棒が重力で落下する事を利用した、
   引き抜き動作だけにしか行えない究極の裏技だ。
   あの野郎も少しは出来るようになってきたな。」
   (シュボッ<タバコ着火
 
立花「自由落下する制御棒の反応度印加を推定して再循環流量を
   先行調整するなんてのは、普通の運転員の出来る事じゃない・・・
   さすが文太の息子だな。」

制御棒ドリフトって事故じゃねーのか?wwwwwwあぶねぇwwwwwwwww

原子力ネタリスペクトなのか妖精現実フェアリアルにはこんなのもありました。

山岡: 電磁波は料理と深い関係にあります。炭火で焼いた焼き肉がうまいのは遠赤外線の作用だし、天日で干した干物のうまみは、紫外線によるタンパク質分解酵素の活性化、遊離アミノ酸の増加によると考えられる。またこれは調理のあるべき姿とは言えないが、電子レンジはマイクロ波を利用している。

山岡: しかし天日で干す場合、時間をかければかけるほど味は熟成するが、同時に、強烈な陽射しのせいで蒸れたり腐ったりする危険も増す。本来は時間をかけたいが、かけ過ぎることができない。もっと短時間で、長時間天日で干したのと同様の効果を出すことができれば、このジレンマは解決する。ガンマ線の照射がその答えです。このアジは開きにしたあと、天日で干す代わりに強力なガンマ線を照射したもの。放射線の平和利用がいかに素晴らしいか示すため、あえて、それ以外には手を加えず、単純に焼いただけ。一般の家庭で作るには、蛍光灯に付属しているグローランプを30万個ほど並べれば手軽に代用できます。

「グローランプを30万個」は手軽じゃねぇw
「サバ文化漬け」「アジ原子力干し」って並んでたらなんか同列のものにみえるだろうかw

海原雄山: さよう、マダイの頬肉。そのまま普通に調理しても絶品だが、それを内部被ばくさせてあります。

京極: 被ばくした魚…!

海原雄山: ご心配なく。被ばくさせたのは捕獲直後。半減期は38分。つまり今こうしてお出しする時点では、放射能は事実上ゼロです。その代わり、半減期の短い同位体をいかに海水に組み込むかでは大変な苦労をしました。

唐山陶人: 海水に組み込む?

海原雄山: まず世界で最も汚染がないトンガの海水を採取しました。次にこれを実験室内で徐々に加熱、凝固点の違いを利用して、塩化ナトリウムのみを分離する。同時に塩素の放射性同位元素である塩素38を使って特殊な方法で合成した放射性の塩化ナトリウムを、分離した塩化ナトリウムと同量、加える。この作業によって、トンガの海水が塩化ナトリウムの塩素部分のみ放射性に置き換わった放射性の海水となるわけです。半減期が38分であるから調理は手際よく行わなければならない。極上のマダイを生きたまま、常温に戻したこの放射性海水の中に放り込む。ここからは「究極」側の担当者の説明とも一部重なるが、放射線は紫外線と同様の効果を及ぼし、腐敗なき熟成が行われる。しかし単なる外部照射と違い、線源は海水そのものなので、タイの体内にも浸透し、隅々まで均等に効果が及ぶ。しかも半減期が短いので翌日には放射能が抜け、安全に食べることができる。その結果は…言葉で説明するより味わっていただくのが早いというもの。

放射性の塩化ナトリウムwww
38分で体内に浸透はしない気がするが・・・しかしよく考えるなぁw

海原雄山: フフッ、士郎。おまえは放射線と言えば外部から被ばくするものとの固定観念にとらわれ、内部被ばくにまで考えが及ばなかった。電子レンジが調理のあるべき姿でないと言いつつ、おまえは放射線を単に照射しただけで満足し、それより先を考えようとしなかった。放射線を浴びせることで熟成させるというのは放射能料理の入口に過ぎないのだ。単に浴びせましたというだけで「究極」とはかたはらいたい!

思考停止イクナイ!w
どう見ても反対派への皮肉です本当にありがとうございました。

*1:水の同位体中性子が一個多い。自然に存在し、普通の水にはごく僅かに重水が含まれる。三重水素トリチウム)や酸素の同位体を含むものも重水と呼ぶが、狭義には重水素(デューテリウム)と酸素16で構成された分子。「軽水」の水素は中性子を含まない。