こうやって見ると嫌な世の中だと
まぁ思うわな。
日本では政治が利益に責任をもつかわり、企業側、すなわち経団連が「雇用に責任を持つ」、「解雇はしない」というのです。「首を切るなんて経営者として失格である!!」と国の経済界の代表である経団連会長が公に言い切る国なのである。「会社が株主のものだなんておかしい。従業員を守った後での株主だ。」と彼らは言うのだ。
そうなの。アメリカと全く逆なんです。日本は経営者が雇用に、政治家が利益に責任を持つという分担だったんです。「企業は社会の“公器”」と言われ、国は「株式会社ニッポン」というわけ。
この国は企業倒産率が1%だっけ?それでほとんどが赤字とかいう。だから税金払わなくて良いみたいな。しかも大企業の方が優遇されてるって吠えてる人がいたな。詳しいこと知らんけど。
一軍と二軍が少しくらい違うルールで運営されていても大きな問題はない。しかし一軍に入りたいなら同じルールでやってもらいますよ。これが世界経済の掟だ。日本も中国も韓国も、先進国になる過程でWTOに加入し世界の貿易ルールを守らざるを得なくなる。
いわゆるグローバル化が始まった。日本企業の株主にも青い目の投資家が入ってきた。エクセレントカンパニーと呼ばれるよい会社ほど外人の株主が多くなる。彼らは当然のこととして経営者に求める。「利益あげてね」と。
「だって経営者の責任は“利益”だからね」と。
というわけでこの国では、誰も彼もが「利益を出すこと」にそのゴールをおき、だーれも「失業と雇用」に目的と責任をおかないという状況が出現した。
こりゃまいりましたなー。雇ってもらうんじゃなくて起業してる人が正しいかね。スキルがある人はフリーで活躍ってのもあるわな。
で、非正規雇用や失業が多くなってきたら妙なことになったと。
いいこととは思わないが、正社員たちはその会社の“家族”として、会社を守ろうとしてきていた。その代わり会社は一生自分を守ってくれていたのだ。でも今は、その会社になんの恩義も義理もないどころか、むしろ「頭にきている」人がたくさん働いている。しかもすぐに首にされる。
一人2万円以上で売られているコース料理の品が使いまわされていることを、自給800円で使い倒されたあげくに虫けらのように解雇されたバイト社員が「隠してあげる」必要は全くない、だろう。だから内部告発によりどんどんこういったスキャンダルが明るみに出るようになった。
むしろ2chで神になろうとか考えるかもしらんねw
悪いことをしてずうっと隠したいなら、それにかかわった人は「一生めんどうをみる」ことが必要なわけ。使い捨ての派遣社員に不正を見せたらバレるでしょ、普通、って感じです。正社員だろうと力士だろうと、いったん不正を見せた人は一生抱え込むしかないわけです。簡単に“手切れ”はできないと思うべきだ。
悪いことするとリスク管理にコストかかるんだーぜーw
口止め料渡したって漏れる時は漏れるw
一応補足。ちきりんは別に「正社員に戻して不正を隠蔽しよう!」といっているわけではないです。派遣社員であれその他の非正規雇用者であれ、「本丸に外部者が入り始めた」ことは結果として“ガバナンスの監視機能”という「別のメリット」をもたらしはじめた、という気がしているのです。
だとしたら、その外部者に期待される役目は何なのか。それを一度しっかり果たしてみたら、“希望は戦争”の代替物になるというか、そっちのがいいじゃんというか。
つまり非正規社員って、「正社員では持ち得なかったパワーを持っている」ともいえるわけだ、と思ったのです。
そしてこうやって3つも揃うと“なるほどね”な感じだなあと思って。
変化の中にいるなぁという感じはするので面白いっちゃ面白い世の中か。どうなんのかな。