ぐーぐるってば居直るの?

どう考えても問題があるのは明らかなのに、明確に対処すると言ってないよね。

墓地に入り、

管理事務所に電話して確認したところ、この墓地一帯は財団所有の私有地で、ここから奥の道路は私道(市道ではなく「わたくしみち」)であるとのこと。表門の看板には「関係者以外通行禁止」と掲げており、実際、改造車愛好者らの集会で入られた際などに「何しにきているのか」と問い質し追い払っているとのこと。墓参者のための道路だとのことだ。

グーグル株式会社が許可をとって撮影した可能性もあると考えたので、管理事務所に確認したところ、「あり得ない」とのことだった。目的が明らかでないものを許可することはないし、撮影が目的であれば撮影場所を必ず確認するし、そもそも墓が写る撮影ではそれぞれのお墓の家の承諾をとらなければ許可できないとのこと。

撮影車は図2のように霊園をくまなく撮影しようと廻っており、単に誤って通過したというレベルのものではない。

そして最も高い地点まで上り詰めて、むしろ墓を写す目的で行ったのかと思われるほどの写真が撮られている。

ゴルフ場に入り、

ゴルフ場に電話して確認したところ、このゲートより奥は私有地であり、この道路は私道であるとのこと。

撮影車はゴルフ場の奥まで進み、以下の図のように、わざわざ駐車場に入って、駐車場内をずんずん進み、駐車されている自動車群を何枚にもわたって撮り続けている。

駐車場撮影しまくり。

ここでは示さないが、ストリートビューで横に向きを変えると、駐車中の自動車のナンバープレートはそれぞれ丸見えで、グーグル株式会社の河合敬一プロダクトマネージャーが言うような「識別できない」といったレベルのものではない。

グーグルは「公道から撮影した画像は基本的に公開が可能と判断した」と説明。通行人の顔は自動識別機能を使ってぼかし、車のナンバーは撮影時になるべく映り込まないようにしているという。

と言っているそうだが、どう見ても「なるべく映り込まないようにしている」というのは嘘偽りで、駐車場に入って自動車を撮りまくっている。

これが撮影作業員のミスということはあるかもしれないが、前回の日記にも書いたように、撮影作業員が誤って入った場所の他、撮影作業員が休憩に立ち寄ったコンビニのシーンや給油所でのシーンも見つかっており、撮影は全自動で行われていて、誤った撮影のキャンセル作業は行われていない。

マンションの敷地などの細かい所の私道進入をチェックで見落とすくらいはあり得るにしても、これほど明確な進入さえもグーグル株式会社はチェックできていない。「私道や敷地内に入っての撮影はしていない」というのはまるっきりの嘘っぱちではないのか。

無断で入ったのかどうか私は事実確認をしていないが、進入禁止の私道に自動車で進入しているのではないかとの指摘が、他にも出ている。

顔の自動識別は確かにやってるみたいだけど、自動認識はどこまで信用できるのだろう。
Googleマップ「ストリートビュー」の顔認識がすごい件 - rna fragments
面白いことになっちまってるw

タレコミを頂いた。豪快に敷地内に進入して撮影した事例が他にもあるという。

これは「誤って入った」というものではなかろう。撮影されている通路は一筆書きのできない経路であり、積極的な意思を持って全部の道を辿ったようにしか見えない。

このようなゲートがあるところに入って撮影するという神経がよくわからない。撮影作業員はいったいどんな指示を受けていたのだろうか。迷路に入り込んだマイクロマウスのように、ひたすら路側づたいに走れとでも言われたのだろうか。

ただし、病院と特別養護老人ホームの承諾を得て撮影した可能性がないとは限らず、病院への確認はしていない。

許可を得た可能性もありグレーですな。

上の事例の周辺地域をぼんやりと見ていたら、他にも墓地に進入している事例を見つけた。

高槻市公園墓地管理事務所に電話で聞いた。ここの道路は「敷地内道路」であり、たとえば自動車が事故を起こしても駐車場内と同様に警察は対応しにくい、そういう道路だという説明。入構を許可したか否かは本庁でないとわからないので月曜に市役所に聞いてくれとのこと。ちなみに、この管理人さんは、グーグルストリートビューというもので墓の写真が出ていることは既に本庁から聞かされているとのことだった。ほほう。

これも本庁が許可した可能性はあるのでグレー。

住宅の私有地に入っている事例もたくさん見つかるが、普通はゲートがない。集合住宅の駐車場用の通路に入った事例も数多く見つかる。ここでは、あまりに人で無しな事例を一つ挙げておく。

この先の踏切が車両通行止めのため、撮影作業員は、左側の土地に車を進入させて転回して戻ったのだと推定される*1。

たしかに私たちは、ドライブ中にこうした行き止まりにたどり着いてしまった場合、やむを得ず個人宅の敷地内に入らせていただいて、車を転回させていただくことはしばしばある。入ったときそこに住人の方がいらっしゃったなら「すみません、道を間違えまして。ちょっと失礼します」くらいの声をかけて急いで転回するだろう。そこで写真をとったりすることはない。

ところがこの、グーグルの撮影作業員は、その転回に入った他人様の敷地で無断撮影したうえ、その静止画写真に洗濯物等が大きく写っているにもかかわらず、それをWebで公衆送信可能化しているのである。まるで、ドアを開けて先に通してくれる人に屁を放って行くような所業だ。

撮影作業員に常識があるなら、このような場所では撮影装置のスイッチを切ってしかるべきであるし、誤って撮影してしまったにしても、その場で削除するか後で削除できるようキャンセル用マークを付けるなどするのが当然だろう。そして、グーグル株式会社の河合敬一プロダクトマネージャーは、事前にこれをチェックすることなく公衆送信用サーバに放り込み、写真を送信可能化している。

あちゃー・・・自分の行う業務が違法になる可能性というのをまるで認識してないですな。

潜望鏡のようにカメラを突き出して進んでいくストカー・・・

LOCATION VIEWでは、「人間の目によるチェックを行なっています」とのことだっが、Googleは、少しなりとも人間の目によるチェックを行なっていたのだろうか? マスコミはそこを聞き出すべきだと思うが、残念ながらそれに関する情報は出ていない。

サービス開始早々、立ち小便する人やラブホテルに入る人など不適切な写真が続々と発見されたわけだが、こういった画像の公開前チェックをグーグル社は少しなりとも行っていたのだろうか?

ロケーションビューとのこの差はなんなんでしょう。

人は、公道から見えるからといって、肖像権やプライバシー権を放棄しているわけではない。例えば、ラブホテルに入ろうとしているカップルは、そのような姿をできるだけ他人に見られたくない、という意識を強く持っている場合が多いと思われるが、そういった情報は、公道から見えるからといってプライバシー性や法による保護を喪失しているわけではない。

このような事情があるにもかかわらず、あらゆるものを網羅的、無差別に撮影し、不特定多数の閲覧に供することは、それ自体、権利侵害の恐れが強い行為と評価でき、撮影されたものについて画像処理を行い個人等が特定されない措置を講じているとしても、撮影された対象や撮影状況から、一定範囲の人にとって個人等が特定可能であれば、プライバシー権侵害の問題は生じるし、そういった処理をしているからといって直ちに免責されるとは言えない。

グーグルは、問題がある画像については申告してほしいと呼びかけているが、事後に申告があれば迅速に削除措置を行うからといって、肖像権やプライバシー権の侵害がさかのぼって治癒されるものではなく、このサービスの本質的な問題が解消されるわけではない。

このサービスが、今後、存続されるかどうか、また、どのような形でサービスが提供されるか、といっったことは、グーグルの方針に依存しつつ、最終的には、日本国民がどのような考え方を持つかによって決まってくるのではないかと思う。

その際に、裁判所における判断、というものも影響してくる可能性が高い。今後、権利侵害を理由とした、ストリートビューに関する訴訟が提起される可能性は高いと私は考えている。そういった訴訟で、このサービス全体が人格権を侵害する違法なものである、という主張が展開される可能性もあり、裁判所が、このサービスについて相当厳しい判断を出す可能性ということも否定できない。そうなった場合、サービス継続への影響ということが出てくる可能性もある。逆に、裁判所が、グーグルの主張をかなり認め、サービス自体の適法性、相当性を肯定する判断を出す可能性もあって、そうなれば、グーグル側に有利な展開になる、ということもあり得る。米国等では、既に訴訟も提起されているが、日本の裁判所には日本の裁判所の考え方、というものがあるので、どのような判断が出るかはにわかには即断しがたいものがある。

 パネルディスカッションでは、弁護士の壇氏が、ストリートビューのプライバシー問題をめぐっては、法的観点でのコンセンサスがとれていないと指摘。裁判所では、住宅や人を撮影する際の「意図」が焦点になるだろうと話した。「ストリートビュー機械的に撮ったというのがポイント。何かに悪用する意図で撮影していれば裁判所はダメと言うだろうが、現時点では意図のない撮影へのコンセンスはない」「基本的には撮影によってもたらされる利益と不利益の比較考慮が、コンセンサスの基準になるだろう」。

 「よちよち歩きのストリートビューには、わかりやすいメリットが見えない。しかし、ファイル共有ソフト著作権侵害ばかりが言われていたが、いまではコンテンツデリバリーにも使われていることからも、今の段階で全否定という議論はあまり好きじゃない。将来的に良くなるには、どこを変えていけばいいのかという議論をすべき。」(壇氏)

 ストリートビューでは、ユーザーからの申告をもとに不適切な画像を処理する、いわゆる「オプトアウト」の方式を採用しているが、壇氏は「ラブホテルに入ろうとしているところなど、どうしてもそこにいることが知られたくない人もいる」と指摘。ストリートビューではこのような点を配慮して削除する努力も必要としたが、「そうしておけば損害賠償を負わないのかという問題とは別」と話した。

うーん、「機械的に撮影している」といっても運転手がある程度コントロールできるからどうなのかなぁ。目的だってサービス提供のためなのは明らかだし。そこから逸脱した意図があるかどうか不明なだけのような。

 「手間をかければ不適切な画像は全部消せるはずなのに、安上がりにしようとするから問題が起こる。グーグルはずるいというか、さぼっている。傘下のYouTubeを考えてみても、苦情の窓口は日本ではなく米国に置き、米国の緩やかな著作権法の考えを日本で展開する。一方、日本のYahoo!やモバゲーは多く人員を抱えて苦情や有害情報をチェックしている。日本で表現あるいは情報をなりわいとする企業として、グーグルの姿勢は本当にそれで良いのか。」(山田氏)

確かに問題が起きなければ放っておこうとする考えはしてるような。

Google Maps で軍事施設なんかが無造作に (?) 映されて、公開されているのが、業界で問題になったことがありました。たとえば、空軍基地にある掩体の配置なんかが丸わかりだったりする訳で、さすがにこれはどうかと。

いってみれば誰もが偵察衛星を持っちゃったようなもんで、悪用しようと思えばできてしまいます。これまでは「偵察衛星を持っている国にしか分からない」と思っていたものが、全世界に無差別に公開されちゃった訳ですから、あわてる人や国が出てくるのも宜なるかな

こういった話から推察するに、Google という会社、無邪気というか性善説に拠りすぎというか、そんなところがあるのかもしれませんね。新しいサービスをいろいろと打ち出してくるのはよいとしても、それを悪用する輩がいる可能性を、あまり考えないのかもしれないなあと。

そういうの (特に安全保障の見地) を気にするのって、シリコンバレーのカルチャーには合わないのかもしれない。それに、悪用される可能性を気にしすぎて萎縮すると、何もできなくなってしまうのも事実。突き詰めると、all or nothing になっちゃいけなくて、どこら辺までなら OK、どこら辺を超えたら NG、という線引きの問題に行き着くんですが。

コメントも含めて色々面白いかなと。MSはサンドバッグか・・・w