攻殻2.0

実は無理に観に行くほど興味なくて、きっかけがあれば行こうってぐらいの気持ちだったんですが・・・
榊原良子人形遣いを見に行こう」
ということでよしつねさんと観てきたのでありました。
それにしても新宿の地下には人を迷わす魔物が棲んでいるのか。甘く見すぎとはいえちょっとヘコむよな。
気を取り直して映画の方を。
リメイク前を観たこともあるし、原作を読んでいてかつ押井慣れしている人間にとって難解さはありませんね。素直に楽しんで観る事ができました。
自分はリメイク前の方を劇場では見ていないので比較できませんが、アヴァロンを観た時と同様に銃撃戦のシーンで迫力のある音を聴かせてくれます。サブマシンガンに強装弾で固め撃ちですか。いやぁ実に良い音ですねぇw
絵の方は・・・正直前作を良く覚えていないのでここが変わったとはっきり意識することはないんですが、どこかで言われていたように意図してソフトな絵作りですね。自分の目が悪いせいじゃなくて画像が少しボカしてあります。だからイノセンスのかっちりした絵と比べると随分印象が違います。色使いも暖色が増えているらしいですが、言われてみればそうかも?
全体的にソフトです。リメイク前がアクションを全面に出したスタイリッシュな映画ってイメージだったのに比べて、こちらは大人しくて、見せ場は派手にやるけど後は抑制して話を楽しませようという感じかと。有無を言わさぬような迫力で押し切られる感じはしません。圧倒されて観てから後で考えるんじゃなくて、観ながらついて行ける。
BGMはどうなんでしょう?多分何かしてるだろうし比較すると面白いんじゃないだろうか。
そして人形遣い。目当てといっても正直ほとんど喋るシーン無いんですよね。しかしその僅かなシーンで強い印象を与えるのがこのキャラクター。
なんといいますか榊原さんの人形遣いは、いやらしい感じです。
セクシャルな、エロいっていうのとはまたちょっと違う、生を感じる生々しい人形遣い
男性の声で語る人形遣いが理知的な印象で説得する感じだとすれば、女性の声で語る人形遣いは理屈ではない部分で確信的に語っている迫力を感じる。説得なんてレベルじゃない。己を語ることによって相手がこちらを振り向くか、それとも。人形遣いは片思いの相手を前にして自分を認めさせようとする勝負に出ているのだ。勝つつもりで。素子に自分を認めさせることが生き残る道であるのだから。愛か死かというような迫力がそこにはある。さぁ私を愛せという女の意地みたいなものじゃないだろうか。ああとってもいやらしいです榊原さん。
これは観て良かったな。攻殻2.0はある意味純愛ものw