GTAをやっても犯罪に走らない

カトナーとオルソンは、2004年から2006年にかけて、青少年の暴力的行動とビデオゲームの関係性について、全米1200人強の中学生と500人以上の両親を対象にした調査をおこなっている。著者たちは調査対象の中学生たちはほとんど、暴力的なM-rated(17歳以上向け)のゲームを日常的にプレイしていることを見いだした。男子生徒はGTAをもっとも好み、女子生徒にはGTAはシムズに続いて2位であった。

しかし、暴力的内容のゲームが青少年の暴力行動や反社会的行為と関連するかといえば、そんなことはないと著者たちは言う。統計的には、Mレートのゲームに凝ることと、少年たちの問題行動には若干の関連があるかに見えるのだが、著者たちは因果関係については異を唱える。むしろ、男子の場合、全くビデオゲームをやらない生徒に、万引きやケンカというような問題を見ることが多いのである。

著者たちは、男子生徒の場合特に、ゲームが社会的参加という側面を持つこと強調している。少年男子にとっては、ビデオゲームをやることはそれがMレートであろうと正常なのだ。ゲームによって彼らは仲間とつながり、気分転換と会話の糸口にする。ゲームへの興味は、引きこもり傾向や反社会傾向を示すのではなく、ストレスや退屈から自分を救い出す手段なのだ。少年たちは、しばしば大人たちよりもよほど、ゲームの世界と現実の中での暴力を区別する力がある。

ゲームをやるということも、同じ話題を持って仲間に溶け込むという意味があって、社会に参加する行為なんですね。
女子生徒も2番目に好むというのがちょっと以外。みんなノリノリなんですなぁ。まぁ男女差はそんなに無いのかもしれませんね。ギャルゲー好きな女子ゲーマーもいるしなw

更なる内容を要約すると、ゲーム批判派の「ゲームが行動の正確さや集中力を奪う」と言った類の根拠のない主張への反論、批判派が現実の社会に蔓延する暴力傾向を隠蔽する政治的な傾向を持っていることなどを指摘しながら、両親に対しては、ゲームだけでなく、メディアリテラシーを高め、社会に対しての興味と関心を持つように指導するという、ごく常識的対応をすすめている。

発祥いらい、人類はその時代のテクノロジーに応じたゲームを作り出し、単純に楽しんできた。時には賭け事などに拡張利用して身を滅ぼす人もいただろうが、金も賭けないビデオゲームに破滅的作用があるわけがない。私も長らく今の商売をしているが、何らかのゲーム耽溺が深刻な精神的危機をもたらした、なんていうケースをいまだかって見たことがない。むしろその逆、ゲームで危機を回避した例なら山ほど見ているけど。引きこもりが続く例でも、ゲームばっかりやっている、なんて聞くとちょっと安心したりするほどで。

「ゲームで危機を回避した例なら山ほど見ているけど。」と現役精神科医のサイトに書いてあるんだから、心配無用であります。
ゲーム脳とか言ってる人は目を覚ますべし。もはや一般的な娯楽であるのに、子供からゲームを取り上げるのは危険かもしれない。下手すると孤立するかも。