勝手な不満を募らせる

誰でもピカソで槙原さん*1特集してたんですよ。当然まずは「世界で一つだけの花」ですね。
良い歌だと思いますよ。歌自体は。でもね、あれが大ヒットしたことになんか違和感あったんですよ。ちょっとひねくれた人だったら当時みんな思ったハズです。ナンバー1とは言わないまでもかなり上位に入るヤツばかりのSMAPが、何においてもランク外だろう今現在正真正銘の凡人が大半の聴衆に向かって歌う「ナンバー1になれなくていい」って、
そりゃ皮肉か?あてつけか?ええ?
ってね。槙原さんは「色んな人がいるSMAPなら丁度良い」と思ったみたいだけど。やっぱり僕は違和感がある。
でもねぇ、槙原さんならいいわ。
だってあの人、変だもの。
大分前に別の番組でも槙原さんが歌ってるの聴いて意外と良い歌だなと思ったし、酔っ払って聴いてた元ヤンキーを泣かせた威力なんてのも知ってたりします。あれも確か槙原バージョンだったような。
これはね、やっぱり良い歌ではあるんですよ。それはわかるんですよ。
だけどねぇ、この歌カラオケで歌うとか、それも楽しそうにみんなで合唱とか、どうもそういうの違うなぁと感じる。
そりゃあね、ナンバー1にはなれないでしょうよ。もうわかったつもりでしょうよ。だけどね、若い連中がですよ?それなりに経験のある人だったら「今のうちにしっかりやっておけ」とお説教の一つもしたくなるような若造がですよ?みんなで口を揃えて笑顔で「ナンバー1にはなれなくても良い」って、なにそれ。もうオンリー1だから良いですか?目指さないですか?無理なのはわかっちゃいましたか?
ヌルイ歌なんですよ、これ。そういう逃げ道に使えちゃう歌。いや別に流行したからみんなで歌うのが楽しいだけなのかもしれないけどさ、でもこの手の歌を手放しで絶賛して国民中にヒットとかおかしくね?
美也子姐さん*2も「こんな歌が流行るなんて世も末だ」とか書いてたけどね、確かに変だと思うんだよな。
みんなそんなに傷ついてるわけ?傷だらけになって、心折れちゃって、もう頑張らなくて良いよって言って欲しい人ばっかりなわけ?そんなヌルイ優しさがお望みなわけ?いや頑張らなくて良いという歌じゃないかもしれないけどさ、今のまま頑張れば良いってことであって。でもなんでそんなに今の自分を認めて貰いたがりますか?評価されないのが当たり前って感覚は古いんですか?それが愛ですか?
僕はね、この歌自体はそんなに嫌いじゃない。何度も言うけど歌自体は良い歌ですよ。でも聴くなら一人で聴け。ドアを閉めて暗い部屋で一人でヘッドホンでうずくまって聴け。もう本当に自分なんか何やっても一番になんかなれなくって人に劣ることばっかりで価値が無い、取るに足らないいくらでもかわりの利くどうでも良い人間だと思ってるヤツがいるんならもうこれ超オススメ。いいから聴けよ。元気出るぞ。
あと合わせて買いたい「人として軸がぶれている*3ってとこか?w
僕は某いずみさん*4の「失格」が刺さっちゃった人だけど、やっぱこう相手を選ぶ歌ってあるよなぁ。
生きる資格が無いなんて憧れてた生き方*5ですw

*1:イチローを女々しくしたみたいなあの人。

*2:篠原美也子。自称負け犬。昔は激しい歌が多かった。そして何か果てしないものを相手にする空しさのようなものと、それに抗おうとする意思があったように思う。最近の歌は諦めと充足感が同居したような印象を受けるかな?

*3:絶望した!これ結構深い歌だって話があるんだよねぇ。開き直る力に溢れてますか?

*4:橘改め榊いずみ。活動中断前は片思いの切ないバラードとかやけっぱちみたいなクソ高いテンションの歌とか色々で、特に痛々しい感じの孤独さ漂う歌が絶品だと思う。復帰後はなんか楽しそう。結婚した幸せでますます色合いが変わった。

*5:「失格」の最後の歌詞。