今週は地味だな

今週のMYTH BUSTERSは今ひとつ派手な盛り上がりが無かった。
二人組みはコンクリート製グライダーの製作に挑戦するのだが、欧米では学校で「コンクリートでグライダーを作っても飛ばない」って教えるのだろうか。
NASA行って話を聞いたらドイツの滑空爆弾がコンクリートの翼を使っていたという話が出てきて実例もあるってことになるのだが、爆弾は落ちてくものだからねぇ。落下地点変わる程度じゃないのか?しかしさすがドイツという気分になるのが不思議なドイツである。
材料になるコンクリートも普通のコンクリ使っちゃ重過ぎるんで考えなくちゃいけない。一口にコンクリートと言っても中身は砂利と砂とセメントの三つが混ざっている。重いのは砂利で、骨材というそうな。骨材の隙間を砂で埋めてセメントで固めるのがコンクリートってことか。
すごいのがジェイミーの作った機体。スチロールの模型でどこまでの重さに耐えられるか実験して、その重量以内で作るつもりなのだが・・・目標値なんと800グラム。コンクリートで。
形はB2の翼にU2の胴体を合わせたという形。ガラス繊維を混ぜて補強し、更に釣り糸を張って強度を確保。それでも1300グラムあるので翼の裏側だけ生かして半分捨て、出来たのが600グラムの超軽量コンクリート機。
一方アダムは自作模型を引っ張りまわして研究していたが、最終的にケイリーの機体デザインを再現した。
ジョージ・ケイリー - Wikipedia
手に持って明らかに重いというが、計ったら2キロ。
あまりに重いので飛ばないかと思ったが可能らしい。が、要求速度なんと時速35キロ。ロープを張って助走させ、十分加速してから飛ばしたところ、3メートル程度の高さから10メートル先に落ちた。落ちた距離と移動した距離を比べる滑空比で4に近い・・・らしいのだが、アダムが説明した補助ラインの件がどうも理解できない。
一方ジェイミーはロープを使いたがらず手で飛ばしたが・・・鳥人間コンテストでよくあるような前のめりの落ち方でまったく飛ばず。直前の重心調整で前にずらし過ぎたのか?
とにかく、一応コンクリートでも飛ばないことは無い。そういう結論。


一方アシスタントチームは列車通過時に気流で引き込まれて線路に転落するという伝説を検証。直感的に有り得ない感じの伝説だが、とりあえずやってみるのが伝説バスターズ。
説明は、列車の後部に気流の渦が出来て吸い込まれるとかなんとか。
風洞実験を行う為模型店に行くトリーとキャリー。トリーはとても楽しそうである。店の主人もイカス一言。「模型には集めすぎるということは無い。」アメリカンだねぇ。
風洞実験には気流を整える装置が必要になる。空気がハニカム構造を通ることで真っ直ぐになるのだが、一から作ると物凄く大変なのでグラントが知恵を使って箱入りのストローを箱ごとぶったぎり重ねて行く。なるほど蜂の巣のようにストローが並んでいる。いつもながらグラントは素晴らしい。トリーとは違った意味で頼りになる。
高速走行する車両の周囲では空気の流れが速く、更に後部では気圧が低くなっているのだろう。移動した車両を追いかけるように低気圧の部分が生まれて、そこに速い流れが引き込まれると渦になるわけだ。これをレースで応用したのがスリップストリームってわけだな。
どれぐらいで人が倒れるのか実験する為にチキン砲を持ち出したのが笑える。冷凍チキンを時速190キロでぶっとばした、この番組の歴史でもかなりインパクトのある行為に使われた空気砲である。
「無作為に」選ばれた被験者のトリーが倒れるには70psiの圧力が必要とわかったので、まず30psiから試してみる。新聞を構えてヘルメットを被ったトリーが空気砲の前に立つ。発射とともにたまらずぐらつくトリー。だが臆することなく出力が上げられる。バシュッという音と共に新聞は破れ、ヘルメットのバイザーが上がる程の暴風。一瞬間を置いてバカみたいに笑い出す一同。危険を顧みずおかしなことをしているのが楽しくてたまらない。クレイジーであるw
本番では弾道ゼラチン製の人形とベビーカーを置き、本物の列車で実験したのだが、時速130キロでホームを通過する。ぶっ飛ぶベビーカー。間違いなく大惨事。しかしあくまで横方向。人形もホームに倒れた。
続けて逆走してみるがこれはかえって風速が落ちてしまう。最初の走行は風速22メートルだったが、逆走では半分である。それでもぶっとぶベビーカー。
どちらにせよ吸い込まれるような力は働かない。むしろ吹き飛ばされてしまうのだ。しかも時速130キロなんてトップスピードで人のいるホームを通過する列車は無い。伝説は嘘である。そしてナレーションからグラントが鉄道好きだとわかったのが今回の番組だった。