対談の続き

とっくに更新されて終了してた。

ブルーレイというか、どんどん高画質化するメディアに対する二人のスタンス。

  • 高橋良輔
    • 良いにこしたことはないがあまり気にしない。
  • 押井守
    • 良い方が嬉しいがスクリーンにはかなわない。

まぁ作画は表現手段の一つに過ぎないわけで冷静ですな。

主人公が女性カメラマンということで女性の好みについて話してます。

僕と彼とで、一番違うところは、白州冴子の女性像です。行動の面ではなく、ああいう女の子が、彼は一番好きなんですよ。
冒頭の「バター茶はないわね」というあのシーン。僕は、こんな生意気なことを言う女性は嫌だと思うわけですよ。「バター茶はないわね」って、ないに決まってるだろ! みたいなね(笑)。気取ってるんじゃない、みたいな。

寺田君は、きっとそういうちょっと小生意気な女の子が好きなんですよ。僕は、女の子を主人公に設定してしまったので、それを監督が愛してくれないと困るわけです。だから、それでいいよ、と。非常に弱いんです(笑)。

高橋さんの好みじゃないんですねぇ。まぁ良い年の人だから当然という感もありますが。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers』は、主人公の片割れというか、主人公の半分、もしかしたら女の子のほうが主人公なんだと思う。

でも、それをどういうタイプにするのかっていうのは、はっきりいって監督の好み。ドラマの必然性や、何かテーマ的な理由があったとしても。

やっぱり、好きになれない女性を主役にはできないと思うから。(『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の)キャラクターに関しては、まだ口外できないんだけど、たぶん、見ればああ、と思ってもらえる。

押井さんは真面目なんだけど情を秘めたイメージかなぁ。スカイ・クロラは外見上若いけど実は長い年月生きてるって設定だからどうなるかな。

アニメーションの場合、女性に対する好みは、結構、むき出しになりますね。ですので、実は良輔さんの好みの女性像もうすうす分かっているように思います(笑)。

男が戦闘中、空を見上げるんです。当然、銃弾にさらされるので、男のことが好きな女が飛び込んで、男の代わりに撃たれ死んでしまう。「なんて馬鹿なことを……」とか男が言うんだけど、どうして空を見上げたのかっていうと、好きな女が衛星軌道上を通過しているからなんですね。そのことをその女に言わずにいたら、そのままその女は死んでしまうわけだから、まあいいかな、と思ってしまう。かなりひどいタイプですね(笑)。

僕は思うんだけど、良輔さんの好みは、男の都合に合わせてくれる女性がいいんじゃないかな。僕は逆に、(女性に)振り回されたいと思う方なんだけど。

良輔さんハードすぎw

良輔さんは、たぶん若い人たちとたくさん付き合っていると思います。

でも、僕はあまりに人の悪口を言い過ぎたせいで、業界には、ほとんど友人がいない男なんです。良輔さんは、おそらく自分の同期生やうちの師匠を除いた年上の監督さんのなかで、ほとんど唯一真面目に付き合っているアニメ監督です。

そういえば出渕裕と和解したってラジオで言ってたような。

これは誤解だと僕は思っているのですが、僕の作品を見た人には、よく女を知らないとか、女に冷たいとか言われます。今回は半分うなずいて、寺田監督は女性に関して僕より一日の長のある方なので、あなたに任せます、ということで一緒に作ってきました。
作品の構造や大雑把な演出の枠組みなどをいろいろと考えたのが僕で、他の部分、主人公やいろいろな画面の本当に細かいところまでを、寺田監督ががんばってくれました。

たいがいの作品では、「僕はやったんだよ」とか言っているのですが、この作品に関しては、寺田監督が自分の作品だと胸を張って言っていいと思っています。そういう意味あいも含めて、今回かなり客観的に自分の仕事を見ることができました。そのうえで、自分自身うなずける作品になったことは、ある意味で二重の楽しみを味わえているように思います。

寺田さんを評価しているから随分謙虚ですねぇ。半分うなずいたのは「女に冷たい」の方だったりしてw

これまで、男と女のドラマって、ちゃんと作ったことがなかったなと思って。いつも恋愛ドラマをやる、やると言い続けてきて、結果的には騙してきました。ですので、今回は真面目に取り組もうと思っているだけです。 

良輔さんにはいつも言われてきたんですよ。1回だけは、真面目にドラマをやりなさい。画作りもいいけど、ドラマもきちんとやろうよって。

良輔さんGJ。

頼む方は違う思いで頼んでいるのかもしれませんが、こんな形でどうでしょう、と自然に言えるようになりました。とはいえ、違う意見があると、ちょっと考えてみます、ということも、あまり自分自身が反発しないところで1回持ち帰って、もう1回考えてみることができるようになってきましたね。

違う意見を上手く取り入れていく余裕。年を重ねた分器が大きくなる感じ。すごいなぁ。