アバロンの東

コミケ戦利品紹介その2。
まず見れ、これを。


藻前ウィザードリィとか好きか?甲冑は好きか?
漏れは好きだっ!
で、この映像は何かというと、こちらで購入できるDVDのダイジェストです。

コミケでこんな映像を再生しているサークルがあったらそりゃ足も止まるだろうw
しかも前にSCAの活動紹介した本買ってたし、これは何かの縁だきっとw
会場ではHPで扱っていないDVDも置いていたようなのだが、全部買うと1万円になってしまう。自分の現状ではコミケに行くこと自体が暴挙みたいなもんなので、オススメの品とAvalon in Black Holeを買って帰ったとまぁそういうワケ。
投石器と攻城戦、それにベリーダンスの姉ちゃんがイイ、と言われたのでwこちらのシリーズの新しいものと思われるDVDも買ったんですが、PCの都合でまだ見られなくて残念。くそぅ楽しみだぜい。

ブラックホールの方はPS2とかDVDプレイヤーで見られるのでPCにDVDドライブ無い人でも安心。
ちなみにHPでも購入できるMay 2006はあの格好のまま浅草寺行ってるのが見物ですw
許可取ってるから良いようなものの、突然行ったら絶対嫌がらせだよなアレw景観壊しまって何の撮影だwあとダンスも収録されてます。オススメ。輪になって踊ろ。
こちらはLord TylerがAvalonの活動をYouTubeの動画も交えて綴った日記です。バレルヘルムに緑のコートという姿で、ポールアームを好んで使う素敵なお方。最初の画像ではウォーハンマー振り回してましたねw

Avalonについて

アヴァロンという団体は何してるのか、まず公式HPとWiki

私たちAvalon(アヴァロン)は、
主に西欧の古代・中世・ルネサンス期の文化や習俗を再現・体験することで、
楽しみながら学ぶことを目的とした研究団体です。

と書かれています。そう、鎧をまとって戦うだけがアヴァロンの活動ではないのです。洋裁なんかも教えてたりします。ダンスもします。所作も大事です。色々やってるんです。

AVALONでは特に西洋の中世文化を中心に文化活動を行ないますが、時代は長く戦闘部門と同じようにギリシャからローマ、バイキング、暗黒時代、ルネッサンスまで幅広く視野に入れています。
ルネッサンスだけでも実際は300年ありますから、その興味対象はとても広い範囲になります。

我々はまだ充分な指導を受けていない為、残念な事に範囲が限られています。
文化活動の内容は衣装製作、刺繍とダンスが主に行なわれていますが、今後は料理、楽器、歌、カリグラフィ、革工芸、などを展開していきたいと考えています。

そしてアヴァロンはSCAというアメリカの団体から生まれた経緯があり、本家SCAとの交流もあったりします。DVDで海外遠征してるのはSCAのイベントへ参加したんですね。

戦闘ルール

SCAでは競技において審判がいません。
すべては競技者自身の自己審判において進行します。
あらかじめ競技者はどれくらいの衝撃が有効なヒットか、自分の体で体験し(他の競技者に十分な攻撃をしてもらう)
基準を自分の中で持っておく必要があります。
(これは数千人規模の団体戦になった場合、審判が立てられないからです)

基本的に競技者同士の了解に基づいて戦いが行われるというわけです。
ではDVD収録のイベントでも主に採用されているベーシックルールを見てみましょう。

手首から先、膝より下(膝を含める)へは攻撃を禁止します。

安全の為ですね。

攻撃を受け、それが有効面で充分に強力だった場合、競技者は[good!] と自分で宣言します。
これは大きな声で叫びます(ヘルムを被った状態で、相手の競技者はその声が聞き取れません)。
とくに顔面への攻撃は有効です。それはSCAの基本ルールがチェンメール時代を想定して作られているからです
(この時代は後期のヘルムのように顔面は覆われていない)。
また、刃のある武器で攻撃をしても、刃ではなく剣の平たい部分(フラット)であればその攻撃は有効ではありません。
しかし、攻撃をされた側は解らないので攻撃側はもし、自分の攻撃が剣の平たい部分であれば、 「No、フラット」といい攻撃の無効を教えましょう。

顔面禁止じゃなくて逆なのが面白いですね。勿論フルフェイスのヘルムで防護して挑みます。

ブロードソード、ダガーで腕か肩へ攻撃を受けた場合は、その腕の使用ができません。
盾ごと腕を後に隠すか、利き腕に受けた場合は、反対の腕に武器を持ちかえる。
ブロードソード+盾の場合は持ち替えずに盾を隠すだけでよい。
軽い武器で腰か足へ攻撃を受けた場合はダメージを受けた脚を動けなくします。
a.足へ攻撃を受けた競技者はその場で膝を付き、そのままの状態で戦う。
b.足へ攻撃を受けた競技者は、立ったままでよいが、攻撃を受けた足は動かしてはいけない。もう一度、脚へ別の攻撃を受けた場合は、死亡となります。

なんというブシドーブレードw

斧、ハルバート、バスターソード、メイスなど(ブロードソードよりも重い武器)で肩か腰へ攻撃を受けた場合は死亡となります。
身体か頭への打撃はヒットです。 顔への攻撃は非常に良いヒットです。
a.突きは先端にパッドが入っている物のみ突きが出来ます。選択した武器をよく確認のこと。
b.刃以外の攻撃。柄頭で殴る、鍔で殴るは実際にはありますが、特別の加工がない限り禁止です。
ポールアームも石突きがパッディングされているかどうか確認してください。

映像を見てると石突きを使うのは結構やるみたいです。

武器は柄の部分を掴むことが出来ます。
また、剣の刃も掴むことは出来ます(日本刀のように切れないし、籠手をつけている)。
しかし、相手が剣をひいて掴んだ手を刃が滑った場合、ダメージがあったとみなされます。

スタイルによっては切れる武器を持ってることもあると思うんだけど、その場合どうするのかな?

殴る、蹴る、投げ飛ばすといった攻撃は禁止です。しかし、力で相手をねじ伏せることは大丈夫です。
盾で相手を「押しつけること」はよいですが盾で「殴る」は禁止です。また鎧を掴むことも禁止です。
鎧をつなぐベルトが切れたり、関節を痛めることになります。

押しても良いけど叩いちゃダメ。

SCAのルールでは相打ちになった場合、その両者がチームとなり、次の競技者を迎え撃つルールがあります。
この場合、次の競技者は相打ちとなった者二人を相手にします。

これ、大抵は二人のどちらかに次の競技者が負けるので再戦の形になるわけですね。片方が負ければもう一人と1対1。ところで「騎士らしく戦う」ことが重要なこの競技、やっぱり一人が戦っている間は戦隊物よろしく見守っているんだろうか。それでも倍疲労するからかなり不利なはずだけど。

相手が武器を落としたり、転倒した場合、良い競技者はその間攻撃をしません。
また、相手の背後から攻撃することも無いでしょう。

というわけで集団戦のメーレーでも背後からばっさりやられたりはしません。ところでメーレーはブラッド・オブ・ヒーローズの罰則に盛り込まれているのがちょっとワラタw
そしてもう一つイベントで使われたルール。解説の方が「死ねなくて逆に辛い」と評していたプレートプルーフ
これはプレートの部分、ラメラーやスケイルでもない完全な金属板で覆われた部分を無効とするルールです。参加者は大抵全身鎧なので腕のちょっとした隙間か、尻とか腿の後ろ側でも狙うしか有りません。ほとんどの攻撃が有効判定にならないのでガンガン殴られるのに負けられない鬼ルールw
最後に一番盛り上がるというブリッジバトル。

幅60cm長さ10mほどのラインを書きこれを橋と見立てます。
それぞれのグループは橋の端から前進し一人が相手側の端へたどり着くことが勝利条件です。
ラインから完全に足を踏み出せば橋から落ちたことになり谷底へ落ち死んでしまいます。
橋から落ちたり攻撃を受けて死んだ場合はまた、自分の側の端に戻って復活し、再び橋の上へ前進できます。

足元なんか見えやしませんが横から突付いて知らせてくれますw鎧に身を包んだ騎士が次々と殺到する様はなんといったものかw
余興で1対1のブリッジバトルもやってましたが、一度も攻撃しないまま勝っちゃったり、二人とも落ちたり・・・面白いw
ちなみにバランスを崩すと足持ってかれるらしいです。SCAやアヴァロンで用いるヘルメットは安全を考慮し、他の部分よりも厚く重い傾向にあるという事情があるみたいですが、それでなくても金属製のフルヘルムは重くトップヘビーな状態なので、騎士はバランスを崩さないように体重移動に気を使って戦います。だから動きが鈍くなるんですね。
ルールにはライトコンバットの項目もありますが、アヴァロンではやっていないとのことで少々残念。

用語

DVDで聞き覚えがあるのはこの辺か。

  • Hip, hip, huzzah!![ヒップ、ヒップ、ハザー!! ]

 「やったやったー!/万歳万歳!/エイエイオー!」
 達成の興奮、気勢などを表す。

これは表彰の時に聞けますね。

  • Lay on! [ レイオン! ]

 初め!

  • Salue your opponent [ サリュ ユア オポネント ]

 相手に礼。

レイオンの後ビショップみたいのが別の一人と中央で剣を打ち合わせる演出をしていて、地面を打って跳ね返るように上げた剣をクロスさせて再度打ち鳴らす。この時の「カッ、カツッ!」っていう小気味いい音がたまらんのですよw
戦闘技術用語のこれはなるほどと思った。

False edge [ フォルス エッジ ]
 裏刃諸刃の剣でいう反対側の刃。日本刀ではない剣技。

Rap Shot [ ラップショット ]
 背後に受ける攻撃。裏刃を使って後頭部や後大腿部を狙う。

自然、そういう切り返しを意識した剣技が生まれるんでしょうね。実践の剣術は尻狙ったりとか結構えげつないという話も。

心得とかよもやま

  • Salute your Lady. Salute your opponent. On your honor... lay on!

 「淑女に礼。相手に礼。あなたの名誉に賭けて!」

戦闘前の礼で聞こえるのはこれかな?

  • 西方領男爵・・・

 SCAの王国版図で日本はカリフォルニア王国(北カリフォルニア、ネバダ、アラスカおよび環太平洋が含まれる)の一部、
 極西方領にあり韓国、グアム、ディエゴ・ガルシア、フィリピンが含まれる。
 (男女二人)が統治し、任期は半年。男爵主催のトーナメントやパーティがおこなわれ、賞が与えられる。
 この賞はSCA公認のもの。

日本はカリフォルニア王国だったのか・・・

  • カーテン生地

 豪華な服を造りたいとき布地は高い。カーテン用の生地は見た目がよい割りに、安い。
 貴族的な服を考えているならばカーテン生地をおすすめする。
 事実、カーテン生地で服を造るのは戦争中よくあったこと。

おお、歴史っぽいw

  • 手の空いている人は・・・

 他の人の鎧着脱を率先しててつだいましょう。
 なんと言っても着脱には時間がかかりますし、一人では留められないストラップもあります。
 脱ぐときは一刻も早く鎧を脱ぎたいのは皆、体験していることですから。

決して通気性の良いものじゃないから運動後はすごいらしい。着脱は何しろ従者が手伝って着るようなものを再現してるんだから一人じゃ無理。鎧休憩10分ぐらい取ってたなw

日本ではRPGはできあいのキャラクターを演じるのが好まれますが、アメリカではそ
うではないようで、自分でキャラクターを作リあげる事が好まれるようです。
例えば数々の衣装をお持ちのSCAのMistress Marixsaは様々に時代にいるMarixsaとして演じ、それぞれの時代の衣装を日替わりで選びます。
またLord PhillipはサインをするときXXに重ねて一です。これは字が書けない騎士と
いう設定です。(面白いっ!)
Yokotaのレピアグループは忍者がすきなのでToraTakaとかKageTatsuと言う名前で
す。
我々から見ると奇妙ですが(そもそもレピアでなぜ忍者なのか?)彼らのレピアテク
ニックは超一流です。

横田基地で忍者が大人気wやっぱり剣士だと思われてるなw

女性にはLady、男性にはLordと敬称をつけて呼ぶのが普通です。
SCAの基準では「AOA(Award of Arms)という賞をもらった者に対して」とありますが、相手の位がわからなければLady、Lordと呼べば問題ないとあります。
例えペルソナがバイキングやローマンであってもです。時代別、文化別に呼び変えたら大変めんどうだからです。
したがって、ナイト位をもったサムライでSir Tanakaと呼ばれる人も居ります。
*「Sir(サー)は騎士の称号を持っている人物につける敬称です。騎士称号制度は現在Avalonにはありません。」

サー・タナカw

Baster sowrd [ バスターソード ]
 両手剣。へヴィウェポン、ミトンガントレットを使用。
 ノーマルルールでは肩、腰、ヒップにあたると死亡。

これちょっと不思議だったんだけど、バスター「ド」ソードじゃないのね。
ちなみにバスタードソードはRPGで定着したイメージが正しいかどうかわかりません。

「雑種(Bastard)」の名が冠せられた理由にも諸説あるが、

1.「片手剣」と「両手剣」の間の剣である
2.切ることに適した「ゲルマン系の剣」と突くことに適した「ラテン系の剣」の間の剣である
との説がある。

もう一つの説として従来のヨーロッパの剣は斬ることには適していなかったため斬る刺すの両方が出来る剣のことを示しているという説もある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89

というように2種類が合わさった剣がバスタードソードだと言われてますが、
http://www.net24.ne.jp/~lv1uni/ken/bun_sword.html
こちらでは細かく特徴が挙げられた上、「背中に背負う剣」という定義が・・・
しかも、バスタードソード以外にもハーフ・アンド・ア・ハーフと呼ばれる両/片手両用の雑種的な剣はたくさんあるとか。それどころかこんな引用すらされている。

 「今、剣の分類はおよそはっきりしていない。たとえば、ロングソードとグレートソード、あるいはグレートソードと両手剣の間の線引きなんて不明である。ここでは便宜上、ロングソードという分類に、グレートソード、バスタードソード、エストックを含めている」

ちょwww全部ロングソードwww一番間違いないだろうけど不便すぎるw
さらに、新紀元社の「武器と防具 西洋編」によれば、騎士は剣を腰に佩くのが常識であり、両手で扱うしかないような剣でも腰に下げればバスタードソードやロングソードと呼ばれたという記述が・・・
Wikipedia「ロングソード」の項目も参照。
ロングソード - Wikipedia
大体剣の名称って時代によって違うのが厄介だよなぁ。ブロードソードだって別に幅が広いわけじゃなくてレイピアより広いって意味だし、ロングソードも何に対して長いかを考えないと違うものになってしまう。

紋章についての解説。エンブレムを作りたいゲーマーにも有用じゃないかな?

エッセイ

鎧をつけ剣と盾を持って戦う事はよいエクササイズでありスポーツといえます。
しかし、相手と対戦するにもかかわらず審判はなく、すべて自己申告により勝負が決 定します。
その理由に一つは、勝敗よりも騎士になりきる「ロールプレイング的要素」があるからです。
剣と盾を持って戦い勝敗を争うスポーツであるならば、丈夫なプラスチックなどの防具を考案すれば良いと言えますが、それが推奨されないのは先 に述べた理由の通り「ロールプレイング要素」が強いからであり、「その雰囲気を楽しむ事」が目的です。

これがこの団体の真髄。究極のコスプレ集団。コスプレオブコスプレ。キングオブコスプレ。

勝負が目的であるならば公平を持って良しとする欧米人のこと、体重差によるクラス分けをし競技者が公平になるルールを作るだろう。しかし、それでは楽しめない。
だから、SCAのバトルには男女分けもない。
黒帯のように強さでもって階級分けすることもない(ホワイト・ベルトをつけたナイトは特別)全ての競技者が楽しむには当然のことだろう。
全ての参加者が同一に戦えることが重要なのだ。
SCA、Avalonでは公式の試合にでるためにライセンスが必要だが、ライセンスの基準は技術や強さではなく、ルールと安全性を理解したかにあることも、その裏付けだ。

ベーシックルールで重装備は不利ですがこぞって全身鎧で挑むのも「それが楽しいから」で、鎧姿で戦うこと自体が目的であり勝敗は結果に過ぎないんですね。

「騎士道を知るにはキリスト教徒でなくては理解出来ないか?」
「確かにキリスト教を学べば騎士道そのものの深い理解は出来るだろう。しかし、あなたがキリスト教徒になる必要はない。あなたがキリストを信じようとそうでなからうと、人は全て平等である「べき」ことはあなたの了解するだろう。
騎士道とは全ての人に平等に力を与え、かばうことである。それは武力だけを言うのではない。それは少しのお金、少しの水、少しの言葉でも良い。騎士とはそれを実践するために剣に誓った者を言う。」

「今までの語りのなかでサクリファイス(自己犠牲)と言う言葉がなかった。騎士にとってこれは重要ではなかったか」
サクリファイスは自分から死に望むことではない。今言ったようにわずかな物でも、相手が良い立場になるように自分の物を少し削るだけだ。それがサクリファイスである。」

「勇気とは何か」
「勇気とは行動を起こすことである。戦うことではない。」

「名誉とは何か」
「自分の行動に責任を持つことである。名誉がついて来るかどうかは人の判断と運である」

「では騎士とはサービスをする者であり、ボランティアか」
「そうだ。王に従属するが王は臣民にサービスをする。騎士はそれに従う。もちろん王はSCAの中にしか居ないが」

「では騎士の戦いとは何か」
「それは臣民を守るサービスである。我々は臣民の楯であり決して剣ではない」

「今日の式はあなたにどのような意味を持ったか」
「私は弱い。今までの私は嫌なことがあったら逃げるだろう。しかし、ベルトと拍車をつけることで常に騎士として自覚をする。私はSCAを離れてもイメージで常にベルトと拍車をつけていると想像する。そうすることで責任ある行動をとることが可能になる」

素晴らしいですなぁ。
サクリファイスは自分から死に望むことではない。今言ったようにわずかな物でも、相手が良い立場になるように自分の物を少し削るだけだ。それがサクリファイスである。」
「勇気とは行動を起こすことである。戦うことではない。」
「我々は臣民の楯であり決して剣ではない」
かっこいい、かっこ良すぎる・・・これがノブレスオブリージってヤツか。