割り箸問題

身近な割り箸。日本人にとって一発ギャグのネタになるほど当たり前の存在ですね。

なんだ途中にあるあのカーブwww

こんな記事あったんだwそれっぽいなw
小ネタはさておき、身近なものはエコロジーのネタにもなるわけで、割り箸を使うのはやめようという運動もあったとか。

「割り箸は端材を使ってるから森林破壊じゃ無い」そう思っていた頃が僕にもありました。AA略
色々見ていきましょう。

1 割り箸論争とはなにか

実は、割り箸が環境破壊的ではないかと考えたのは 私たちが初めてではなく、既に何度か議論がされていました。それが、先ほども言いました割り箸論争です。 1978年や1990年などに何度か議論が盛り上がり、1990年には実際に割り箸の使用量が減少するほどでした。 内容は総括すると、資源保護団体や一般消費者の 「割り箸は森林破壊を促進して環境を破壊している」という主張と製造業者や林野庁の「割り箸は低利用材や間伐材を利用していて 林業の促進に重要である」という主張の対立です。新聞や雑誌などで討論されるなど、活発に議論が行われ、 持ち箸運動などもこのころから始まったのです。

2 割り箸の製造方法や種類

割り箸の製造工程が載っていますが、カラー写真のこちらも参考に。
http://www.waribashi.co.jp/tsukuri.htm

3 割り箸消費の現状

正確な統計はないのですが、概ね20%が家庭用、15%が弁当用、65%が飲食店での利用だと 推定されています。ちなみに、弁当用にはコンビニでの利用も含まれています。

ほとんど飲食店なんですねぇ。コンビニ含む弁当は15%か。

4 国産割り箸生産状況

次にどこでそれだけの箸が作られているのかを見てみましょう。 国内割り箸製造の中心地は北海道と奈良県で、1998年には、この両県だけで国内生産の70%を製造しています。 ところで、かつては国内生産の半分以上を生産を誇っていた北海道は、1990年以降急激に衰退しています。 国内生産の量も同様に激減しています。 箸の利用量が減少したのでしょうか。いいえ、そうではありません。 実は、これは1990年以降、海外からの安い割り箸が大量に流入してきたことによって、特に安い機会割り箸を製造していた北海道の製造業者が 壊滅的ダメージを受けたからなのです。スギ、ヒノキなどの比較的高級はしを製造している奈良県でも 生産量が30%くらい減少しました。こうして、現在では国産割り箸は、 1膳十数円の高級箸しか採算が取れない状況になり、割り箸総需要の6%を占めるのみとなってしまいました。 割り箸生産にかかわる人口も、1990年には4000人だったのが、1998年には1200人にまで落ち込んいます。

この問題を扱った本も出ています。
http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosaku-waribashi.htm

  割り箸には、昔から興味があった。『「森を守れ」が森を殺す』にも割り箸問題については1章を設けている。当時の取材では、割り箸の半分は外国産で、国産が減っているとともに、国産も外材で作っているものが多いという事実があぶりだされていた。それでも、割り箸は端材・未利用材から作るのであって、森林破壊には結びつかないという結論が得られた。
  再び興味を持ったのは、2005年の夏だったと思う。たまたま、何かの拍子に閲覧したホームページだったかで、すでに9割以上が外国産に置き換わったことを知ったからだった。それでは、国内産地が壊滅してしまったのか。そして、もう一つ。割り箸用に吉野杉を中国へ輸出して、向こうで割り箸に加工して逆輸入していると聞いたからである。折しも国産材の中国輸出を取材していたこともあって、このルートに関心が生まれたのだ。
  そこで、そろそろと調べ始めたところに、「中国が割り箸輸出を禁止する」との報道(2006年春)があった。これが、いよいよ火がつけることとなる。ただ、それでも最初は、割り箸だけで1冊の本になるか迷いはあった。しかし、調べれば調べるほど、割り箸に関した文献は少ないことに気がつき、いっそ日本初の「割り箸大全」の本にしようと燃えたのである(笑)。

著者のブログもあります。
合法木材: 森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ

いわゆる木材のグリーン調達が実施されて1年を過ぎた。
政府調達の木質製品(紙、合板等も含む)は、すべて違法に伐採されたものではないことを証明しているものしか購入しないという、アレである。

おそらく、この制度の裏には、環境のことだけでなく、外材の締め出しを意図していたに違いない。違法伐採が問題となっていたのは、熱帯諸国とかロシアが大きいからだ。ところが、下手すると国産材の証明が遅れて、逆に外材の方が合法証明木材が増える恐れもあるのではないか。

こちらも興味深い話がたくさんありそうですねぇ。
それからこちらは奈良の箸ブログ。
割箸職人のつぶやき - 楽天ブログ
割り箸というのもなかなかきれいな形をしているもんですね。

5 輸入はしの推移

それでは、国内箸生産に大打撃を与えた輸入箸とは いったいどんな存在なんでしょうか?まず、右のグラフを見てください。 これは、近年の割り箸の国産量と輸入量の割合を示したグラフです。全体の消費量はほぼ一定なのに対して、 輸入量の割合は明らかに増加しています。これは、これはいったいどういう事でしょう? これは、1980年代に台頭してきたファーストフード系の飲食店・弁当屋がその販売網を拡大したことにあります。 大量にしかも安価な割り箸が必要になり、それに合わせて大手商社が海外での割り箸製造に力を入れたのが、輸入箸の急激な伸びを促したのです。これに対して危機を抱いた国内製造業者が、関税の引き上げを求めたのですが、1999年1月からむしろ5.2%から現行の4.7%に引き下げられてしました。

じゃぁ日本の割り箸はもうダメかというと、
割り箸価格の「高騰」と日本の林業

ようは輸入割り箸の価格がもっと高騰して1本5円より高くなれば、日本の林業も復活できるということ。今はまだ価格が上昇しているとはいえ輸入割り箸に価格優位性があり、国内で林業をやれる状況にないだけの話。林業には時間がかかるとはいうものの、間伐材収入も考えれば、木材の売価さえ十分なものとなれば5年目からは一応、軌道に乗る。

林業の知見もずいぶん書籍化・マニュアル化が進んでいる。自然相手のことだけに個別対応の部分は残るのだけれども、基本的には技術革新による作業の効率化が圧倒的に効くので、全国津々浦々の山について一般性のないノウハウを全て記録できなくとも、それは致命的な問題とはならない。

技術もあるしそう簡単には滅びませんよと。
さらに、言ってるそばから値上げ。
「ダンピング」「ライバル壊滅」「値上げで荒稼ぎ」突然5割値上げした割り箸に見る中国流ビジネス - ガベージニュース(旧:過去ログ版)

一応中国側の値上げ要求にも理由がある。住宅着工が増えて原材料が高騰しているというのだ。また、人民元の切り上げや人件費の高騰、税制度の変更、さらに中国政府の後押しというおまけつき。市場独占・中国依存度があまりにも高いため、俗に言う「カントリーリスクの回避」も難しい状況にある。さらに、一度値上げで終わる可能性は低く(言葉は悪いが「味をしめる」と)次の値上げが待っている。安いから、との理由だけで中国産を利用してきた意味はすでにない。

国内外で例えば公正取引委員会などが厳しく取り締まっている「ダンピングで市場独占を果たし、ライバルをせん滅。その上でダンピング前より値上げして荒稼ぎ」という、まさにダンピング戦略のお手本のような形に他ならない。

こりゃひどい状況だ。

1 中国での持続不可能な森林伐採

毎年、200億膳の割り箸に相当する量の天然林が、 割り箸のために伐採されています。これに対し、植林は実際ほとんど行われていません。 平成10年9月日中環境保全友好植林実践会が発足し、緑化事業に取り組み始めています。しかし、 取り組みは始まったばかりで、成果はまだほとんど上がっておらず、また日本が出資しボランティアベースであるということから、 これからも大きな効果は望めないかもしれません。第2部でも述べたとおり、木材は皆伐方式で伐採されています。皆伐方式とは、森林の全部、または一部を一斉に伐採するというものです。作業は単純で効率的に行うことができます。 一方の択抜方式は、一定の伐採率である一定の樹齢に達したものを選んで伐るというものです。 大規模な皆伐は表土を流出させ、荒廃させてしまうという問題があります。しかしここでは費用が安いという理由で皆伐方式がとられているのです。 このように植林がなされず、皆伐方式で行われている木材伐採では、木材供給を持続的に続けることさえできません。

これに関して、中国でも森林破壊による被害について とりあげられています。中国では昨年(1998年)、北部や長江流域で大洪水が発生しました。 これに対して、中国政府は割り箸などのための森林伐採で土地の保水能力がなくなり、 そのために洪水が発生したとの見解を表明しています。さらに「森林が国土の7割の日本が2割未満の中国から森林資源を奪っている」との 批判もしています。このような中国側の批判について、日本の割り箸業者側からは、 割り箸に関してはコスト差、中国の積極的な産業経営もあって、日本が輸入することになったのだという批判があがりました。 国内の製箸業者は、中国の安い割り箸によって国内産業が壊滅状態に陥ったという憤りを示しています。

環境の為にも禁輸で良い、という人もいますね。
中国の割箸輸出規制について - 代替案のための弁証法的空間 Dialectical Space for Alternatives

 100円ショップには申し訳ないが、中国の禁輸によって、私たちが多少高くなっても国産割箸を使うようになれば、間伐材の有効利用が進むだろう。割箸など間伐材や、製材工程で捨てられる端材から生産できるものだ。わざわざ中国の森林を傷つけ、輸送のための膨大な石油エネルギーなど消費せずとも国産すべきものなのだ。

2 中国での割ばし使用の問題

10年くらい前までは中国では上海などの大都市の日本人客の店のほかは割り箸を使用することはありませんでした。 しかし、多くの割り箸が出回るようになって現在では中国でも使用が急速に広がっています。 弁当や飲食店で日本と同様使用されるということですが、実際にどのくらい使用されているのかはまだ誰も把握できていません。 これは供給が需要を生む事態です。

 割り箸生産機械を中国で自主的に作れるようになり、 産業として根付いていったわけです。ここでは産業だけでなく、割り箸を大量に生産するようになり、 割り箸の使用という風習が根付き始めていると言えます。これは大量消費・環境破壊的な産業として 割り箸が根付いてしまう危険な状況を示しています。過剰状態で、過大生産量が一定になってしまい、 その生産量を売ろうと中国の使用が急速に広がれば、森林の破壊が進むと考えられます。

何か恐ろしいことが進んでいる感じがするんですが・・・

1 割り箸の使用量を減らす

以前割ばしが問題になったとき、 自然保護に関心を持つ人たちが実践して話題になりました。この持ち箸運動は、一見すると少数の自然保護運動家しかできない、 一般の人が実践できる真の解決策ではないように見えるかもしれませんが、かつて太平洋戦争の末期には、 国内で木材が不足したために割ばしの使用が禁止され、皆が駅弁を食べるのにも自分の箸を使っていたという事実があります。 持ち箸は、決して不可能なことではないのです。

 もちろん、そうは言っても、今すぐに皆が持ち箸をするのは現実的には不可能です。そこで、割ばしへの批判が高まっていた1990年頃、 飲食店の方で割ばしから普通の洗って繰り返し使う箸、洗い箸に変える動きが出てきました。 洗い箸への変更は全国の飲食店で見られ、そのためにそれまで増加を続けていた 割ばし輸入が減少するほどの規模でした。このころは、特に官庁の食堂や大学の生協食堂などで 割ばしをやめるところが多く、マスコミにも取り上げられ話題になりました。

 しかし、今から振り返ってみると、 当時の割ばし廃止論はすこし性急だった面は否めません。科学的に環境への影響を減らすためには、 何かを何かに代えるときは必ず両者の環境負荷を比較して、変えるときもそれから変えるのでなければなりません。 この場合、割ばしと洗い箸との比較はほとんど行われていませんでした。

わかりやすいからなぁ。ブーム化しちゃうのはなんかねー。

2 使用済みの割り箸をリサイクルする

使用済みの割ばしを再利用する試みの中で、 現在もっとも有名なのはある製紙工場がはじめた、パルプ原料としてのリサイクルです。 使用済みの割ばしでも、紙パルプに必要な繊維は元の状態で残っています。割ばしを紙パルプにリサイクルするという運動は、 この点に注目して進められました。製紙工場に集められた割ばしは、洗浄した上で砕かれて、 他のパルプチップと混ぜられ、紙パルプの原料の一部になります。割ばし10kgでは、だいたいティッシュ15箱分くらいになります。 現在、工場の周辺で学校給食に使われた割ばしや、付近の旅館から出た使用済みの割ばしを中心に、 年間数十トンがリサイクルされていますが、それでも工場で使われるパルプの0.0001%にしか過ぎません。 また、現状ではコストの面で輸送費までは出せないので、工場の周辺以外の人が割ばしをリサイクルする場合は、 工場までの輸送費は送り主の負担になります。

王子製紙かな?
http://www.ojipaper.co.jp/culture_sports/community/chopstick.html

都市ゴミを減らすと同時に、これまで廃棄物として扱われた『箸』も“拾ってあげたら紙に生まれ変わって日本中旅が出来る”というロマンを求め、紙資源として再生します。

ロマンかよ・・・
こんな実験もあって面白い。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/bake40.html
江戸時代のリサイクル。
江戸生活史 割り箸<わりばし>
こうやって木も水も両方大事にしていたんですねぇ。

使用済みの割ばしをリサイクルする方法として、 ほかに割ばしを炭化して木炭として利用する、という活動があります。使用済みの割ばしでも木炭にすれば非衛生的ではなくなり、 脱臭など、普通に木炭として使用することができます。割ばしを炭にするときは、普通に炭を作る方法では燃え尽きてしまうため、 火力を微妙に調整する必要がありますが、技術的には現在でも十分可能です。

家庭でもできちゃったり。
http://moritetsu.net/challenge/waribashisumi.html

4 伐採される木を減らす

現在中国で生産されている割ばしは、 丸太を両脇から挟んで、それをぐるぐる回しながら一定の厚さに剥いていき1枚の板にして(大根のかつらむきと同じ)、 その後にその板を切って割ばしにしています。そのため、丸太の真ん中の部分は使用されずに捨てられています。 このようなことが起こるのは、中国では木材資源が安すぎるためです。これを、残りの部分も使うようにして歩留まりを上げれば、 その分だけ1本の木から取れる割ばしの量が増えることになります。しかし残念ながら、そういう試みは実現されていません。

平気で捨てるほど安い。安くても売りたくてしょうがない。だから沢山伐る。

 一方、すでに実現されている試みとして、 割ばしを利用価値の低い木材からつくる、ということがあります。第3部で見たように、 割ばし製造の大部分が日本で行われていたころ、 割ばしは利用価値の低い低利用木材から作られていました。割り箸が環境破壊の原因として取り上げられるようになると、 そのころと同じように、再び日本で森林資源を有効に使った割ばしを作ろうと考える人が出てきます。 そのとき注目されたのが、森林を管理する上で必然的に出てくる間伐材でした。

 現在、日本国内の森林のほとんど全ては人工林です。 木の生えていないところに一斉に植林して森林を造成する場合、はじめは日光を遮るものが何もないため、 日が当たりすぎて枯れてしまわないように、高い密度で苗を植えなくてはなりません。 しかし、やがて成長するにつれて、今度は木の密度が高くなりすぎ、森の中まで日光が届かなくなります。 このままでは日照不足で木は細く折れやすくなり、森の中は湿度が高いため植物も病気にかかりやすくなってしまいます。 そうならないように、今度は何本かに1本木を切り、森林の中の密度を適度に保たなければなりません。 この作業を間伐といいます(右図参照)。間伐は、植林してから成木として 伐採できるようになるまでに何度か行う必要があります。

林業についてわかりやすく説明しているページがあり、割り箸に使われる木がどのようなものか詳しく触れています。
http://www.kikori.org/use-forest.htm

多くの人が誤解したまま生活しているのです。職場に来る小中学校の先生からの質問で、割り箸による熱帯林の破壊はどうすればいいですか、というような質問が届きます。

確かに、たくさんの割り箸を世界中から輸入していますが、成長の早い木を使います。早生樹(先駆樹)と呼ばれる木で、20年もしない木やタケを使います。20年たつと腐って枯れてしまう木がほとんどなんです。森作りの牽引役で20年で姿を消す木なんです。次に来る木の露払い的存在なのです。後から来た陰樹とか呼ばれる木が大きくなると姿が消える(日が当たらなくなり枯れる)のです。チークやマホガニーといった高級な木で家具を作らずに、使い捨ての割り箸を作るなんて考えられません。木にも値段があって、1m3が0円から天井知らずと利用目的によって値段が違うのです。

言われてみれば高級楽器に使われる木材なんて伐採禁止でプレミアのついた物もある。種類を考えず全て「木材」と人括りにするのは浅はかというものか。
こちらは島根県農林水産部森林整備課。写真が載ってます。
島根県:森林の育成(トップ / しごと・産業 / 農林業 / 森林・林業・木材産業 / 森林の育成)
ところでこれ、すごいねぇ。
http://www.kikori.org/ken-betu/mori-japan.htm
昔図書室に「動物達のSOS」って本があって、林野庁が売れる木を植える為に原生林を伐ってるから住処を追われた鹿が苗を食べてるという内容の批判だったのだけど・・・なんつーか、林野庁も可哀想だったんだねぇ。

 現在、国内の多くの人工林が、間伐を必要とする年齢に達しています。 各地で間伐が進められていますが、作業には遅れが出ています。このように間伐が遅れているのは、 端的には林業労働者が不足しているためですが、その背景には間伐をしても利益が出ない、という日本の林業の現状があります。現在、間伐材の多くは、安価な外材との価格競争に勝てないため、 森の中に切ったまま捨てられています。この現状を改めるために、 大きさの小さい間伐材からでも大きな板を作れる合板技術の開発や、間伐材を使った家具や日用品の普及が進められています。

 割ばしに間伐材を使うというのも、その一環です。 すでに大手のコンビニの中にも間伐材の割ばしを採用するところが出てきており、 今後も増えることが予想されています。

間伐材を使った製品の販売サイト。
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ミニストップ「木づかい運動」
http://www.ministop.co.jp/ministopfan/kidzukai/index.html

ミニストップは、林野庁NPO法人エコロジーオンラインの協力のもと、その中の一部の割箸を国産材に替え、「5円の木づかい」として実験販売することを実現しました。

アドバシプロジェクト
緑のgoo

コンビニエンスストアで配られている割り箸1膳の単価は約 1.3円。これを国産材に切り替えると5円。ほぼ4倍近くになります。1年間に 250億膳ほど消費されるのを国産材にしたら膨大なコストを支払わなければならない。コンビニエンスストアとかスーパーなど大量に消費するところは、中国産の割り箸を使わざるを得ないという状況です。

 そこで、割り箸袋に広告を入れ、その広告収入を導入コストに当てていこうというのがこのアドバシのコンセプトです。箸袋の片面には協賛企業の広告を入れ、片面にはこの中で使われている木材がどのようなものであるか、どういう意義があるのかをきちんと説明していくという割り箸を、1チェーンではなく、日本のすべてにおいて流通させたいという理想を持っています。

アドバシは理に適った形で期待できそうだな。

 さて、ここではこのような間伐材割ばしの一つとして、樹恩ネットワークの試みを紹介します。樹恩ネットワークは、農村の過疎化の問題や、森林の問題、 地方文化の継承の問題に取り組むために、1998年に全国大学生協連の支援を受けて設立された団体です。 樹恩ネットワークはその活動の一環として間伐材割ばしを開発し、それを全国の大学生協の食堂に納入しています。 東京大学の食堂には導入されていませんが、現在、全国で1ヶ月に約30万膳が使用されています。 このような割ばしの間伐材化は、割ばしの利点を失わず、今の生活を変えないままに森林に与える影響を小さくすることができます。 間伐材の使用というのは実現の可能性も高く、割り箸問題の解決法として期待されています。 間伐材割り箸の最大の問題はそれにコストがかかる(ふつうの割り箸の2倍以上)ことです。 その点が解決されれば、一気に普及していくことでしょう。

樹恩の割り箸についてはこちらで。導入した大学生協による説明です。
http://www.hokudai.seikyou.ne.jp/foodserv/waribasi/waribasi.htm

間伐材と同じように、割ばしに使用される木材を 針葉樹から竹に変えることでも同様の効果を得ることができます。竹は普通の木と比べて成長が早く、 芽が出て1〜2年で伐採可能な状態になり、5年も経てば成木になります。また、竹は普通の木と比べて成長力が強く、 人が植林しなくても近くに竹の木があれば自然に再び生えてきます。このように成長力の強い竹ですが、現状ではまだその用途は限られています。竹を割ばしにするならば、わずか数年のサイクルで竹の生産・伐採・竹箸の製造を繰り返すことができます。 竹を割ばしにする上で最大の問題は、竹がかびやすいために防カビ剤を使用する場合が多いということです。 現在、すでに竹は中国から輸入される割ばしの20〜30%を占めると見られていますが、 このカビの問題がクリアされれば、 さらに竹箸の割合は増えるでしょう。

中国でも竹箸は注目されている模様。
EICネット[中国発:竹割り箸の生産地を訪ねる]

竹割り箸の原材料に利用されるのは、生長して3〜4年の若竹。竹は生長時間が早く、また、地中に網の目のように張り巡らされた根から次々と芽(筍)が出てくるので「植林」ならぬ「植竹」の必要もない持続可能な資源だ。

言っちゃ悪いが中国に向いてる感じがする。

むしろ、森林と同じように適当に伐採しないと過密に繁茂し、生長が悪くなるという。竹林の下草の手入れ(除去)も重要で、健全な生長に大きな影響を及ぼす。育ちが悪く曲がった竹は原材料には向かない。

やっぱりいくらか手入れは必要か。

要求の高い日本には一番良い製品が輸出される。短い箸も好まれている台湾では、竹の根本に近い節と節の間が短い部分から製造される短い箸が輸出される。日本向けには輸出できないものだ。検査ではじかれたりした不出来な箸は中国国内で使用される。

台湾があって良かったじゃないか。

割り箸は中国では「衛生箸」と呼ばれている。特に水の少ない地域では食器や箸がきちんと洗われず、かつてA型肝炎等の病気の伝染の原因になっていた。人の口に直接入る箸がきちんと洗われていないとしたら大問題だ。そんな中、使い捨て食器や割り箸のニーズが高まった。衛生状態が悪い途上国に特有なニーズである。こんな背景があるから「衛生」的という言葉で強調されるのだ。最近はあまり見かけなくなったが、レストランで茶碗や皿が出されると、利用する前にナプキンでよく拭くという光景がかつてよく見られた。

ををををを((((;゚Д゚))))

竹割り箸の生産は最近急速に伸びつつあるという。現在は木製割り箸78:竹割り箸22の生産比率だが、近々70:30ぐらいまでに変わると見込まれている。竹割り箸から見れば1.5倍近い伸びだ。これは次の理由による。
 これまで加工貿易タイプで生産されていた木製割り箸(ロシア等から木材を輸入し、それを材料に割り箸を生産し、日本などへ輸出していたもの)には、32%の税金の課税が免除されていた。この制度を悪用して、実際は中国国内で切り出された木材を使用しているにもかかわらず、輸入木材だと偽って届け出て32%の課税逃れをしている事業者が多く見られた。近くこの免税制度が廃止されることになり、それに伴い廃業する業者等が増えてくること、木製割り箸の製造原価が上がることになり、相対的に竹割り箸の競争力が強くなってくるということだ。
 今後も中国では竹割り箸の生産がどんどん伸びていくだろう。これによって中国北方地域の森林破壊に歯止めがかかることが期待される。話によれば、竹林も伐採するだけでなく、全国で毎年100万ムー(ムーは面積の単位:15ムー=1ha)ほど拡大させているそうだ。

あんまり悪用するんで廃止されたのか?それにしても「ムー」って単位はなんか笑う。100万ムー・・・w
最後にちょっと悪意。

色々みてからだともう、なんていうかね・・・

それでは、消費者に価格転嫁できるだろうか。私はこの際、「転嫁キャンペーン」とでも言うべき運動が起きてもいいと思う。仮に転嫁しても、現在の小売り価格は1膳で3−4円だから、4−5円程度になるだろうか。コンビニで「割り箸、お付けしますか」と聞かれて、「お願いします」という客に4−5円を払ってもらうのだ。払いたくない客は、自分の箸を常に持ち歩けばいい。

現代日本は、世界でもずば抜けた「衛生国」になっている。割り箸も白いのが主流で、色の黒いのや原木のコブが見えているようなのは受け付けられないという。本来、割り箸という道具は、家や家具を作る際に余った木を使っていたはずだが、いつの間にか「高級材」の世界になっていた。どんな箸で食事をしても味は変わらない、にもかかわらず。

価格転嫁しなさいと言いつつ、値上げすれば国産が使えるってことは触れないのね。
その後で国産の箸が端材を使っていたことに触れて、輸入物の漂白された箸を「高級材」だと。安物だろ中国産アスペンの箸とか。
うがち過ぎ?でも印象悪かったんです。なんか気持ち悪い。

日本割箸輸入協会(大阪市)では、こうした日本人の「高級」志向をどう変えるか、さまざまな対策を検討中だ。さすがに、中国政府も自然環境対策の重大さに気づいてきた。日本のNGOなどによる中国での植林事業が盛んだが、今回の割り箸問題はそれとは別な、もっと身近な貢献もあることを示唆しているように思う。(執筆者:週刊エコノミスト編集委員 本間俊典

「輸入協会」・・・じゃなくて国産の味方しろよぉ。