納豆

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/896586.html
またあるあるか。イソフラボンがホルモンを増やす?何のことだ?
ビタミンKの凝血作用も注意かと思ったら過剰摂取での問題は知られていないらしい。
ビタミンK - Wikipedia
というわけでイソフラボン特集。
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/hatashin/daizu/kenko/kenko-f.html

イソフラボンは大豆のフラボノイドの一種で、植物エストロゲンともいわれ、女性ホルモンが減少した場合には代替ホルモンとして作用します。大豆に含まれるイソフラボンの含有率は0.2%と微量ですが、日常摂取するイソフラボンの多くは大豆食品からと考えられており、大豆食品を多く摂取する日本人が欧米人に比べて、更年期障害、循環器疾患、骨粗鬆症などの発症率が低いのは、イソフラボンの摂取量の差によるものと考えられています。
 なお、日常の食生活において大豆由来食品から大豆イソフラボンをバランスよく摂取していれば健康に良い影響がありますが、大豆イソフラボンにはホルモン様作用があることから摂りすぎた場合には健康に悪影響がある可能性があります。サプリメントのような「大豆イソフラボンを濃縮、あるいは強化した食品」から大豆イソフラボンを摂りすぎることには注意してください。

イソフラボンも過剰摂取すると健康障害を起こす

タイ産Pueraria mirifica(プエラリア・ミリフィカ)の乾燥根を粉末としたサプリメントプエラリアガウクルア)」には強力なエストロゲン作用成分ミロエステロールのほか、イソフラボンも多く含まれている。これらイソフラボンは、近年、健康の維持や増進という観点で広く注目を集めるようになった。

欧州では、外国人が最も嫌う日本の伝統的食品として知られる納豆がサプリメントとしてスーパーで販売されている(Nattoと称するそうである)ほどで、イソフラボン含有食材に対する関心の高さを象徴するものであろう。最近、健康食品開発業者がイソフラボン含量の高い天然素材を求めているのはそのためであり、その結果ダイズの数十倍という極めて高いイソフラボン含量がある「プエラリアガウクルア)」に白羽の矢が当てられたのである。

最近、発売されたイソフラボン有機能食品では、一日当たりのイソフラボンの適正摂取量を40mg〜50mgとし、豆腐なら150g(半丁)、きな粉なら20g、納豆なら60g(1パック)に相当する量としている。米国でもダイズは健康食品として注目されているのであるが、米国医薬食品局(FDA)では一日当たりのイソフラボン摂取の適正量を60mg(イソフラボン配糖体では100mg)としており、ほぼ一致している。このくらいの量であれば、普通の日本人なら普段は味噌も消費されているので通常のダイエットで十分まかなえる水準である。偏食あるいはその他の理由でイソフラボン摂取が不足気味としても、最近、特定保健用機能食品として販売されているもので補給すれば十分と思われる。

わが国の特定機能食品メーカー、米国医薬食品局(FDA)のいずれもがイソフラボンの適正摂取量を推奨しているのはそれなりの理由があることを忘れてはならない。イソフラボンの女性ホルモン作用は、ゲニステイン(genistein)でエストラジオールの10,000分の1、ダイゼインではゲニステインの更に数分の1とというレベルにすぎず、ごく軽微であることは確かである。しかし、高含量のイソフラボンの摂取でホルモン関連の障害が顕在化する可能性のあることは、ゲニステインを多く含む牧草を日常的に摂取する家畜の間で不妊症が多発したオーストラリアでの事件を見ても明らかである。通常の食生活ではイソフラボンが過剰摂取される可能性はほとんどないが、カプセル剤、錠剤という剤型をもつサプリメントでは過剰摂取の危険性ははるかに高くなることを念頭に置く必要がある。

、「プエラリアガウクルア)」を健康食品として(豊胸など美容の目的ではなく)販売するサイトでは強力なエストロゲン作用をもつミロエステロール(→プエラリアガウクルア)は強力なエストロゲンを含むを参照)に言及することはほとんどなく、あってもそれがエストラジオールに匹敵する活性を有することには沈黙しているのは消費者に適切な情報を開示しているとはいえず大いに問題がある。

http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/mow/2006/isoflavone.html

 ところで「女性ホルモンは発ガン性物質である」と聞いたら、驚かれる方も多いのではないでしょうか?実際、女性ホルモンの分泌が多い人は乳ガンを発症する率が高いことが実証されており、このためエストラジオールは発ガン性物質にカテゴライズされているのです。ホルモンの体内での働きは複雑多岐に渉りますから、摂取量や条件によっては体にとって善悪両面の作用が出ることがありえます。一時期の環境ホルモンの騒ぎなどもこ0うした観点から起こったものでしたが、その作用は一口に語れるほど単純なものではありません。

食品のリスク評価というのは様々なファクターがからむだけに難しい問題で、悪いところだけをことさらに取り出せばそれこそDHMOと同じで何とでも危険性を訴えることができます。何より大豆は低脂肪・高タンパクで、栄養バランスの取れた優れた食品です。イソフラボンによる発ガンの微少なリスクよりも、大豆食品を失う損失の方が大きいのではないでしょうか。

 女性ホルモンを含む食品としては、数年前にもザクロがブームになったことがありました。その時にも筆者は「同じ作用を示すものを、人工の化学物質と聞けば『環境ホルモン』と呼んで忌み嫌い、ザクロならば先を争って買い求めるというのはどういうことか」と書きましたが、あれから数年、ザクロが大豆になっただけで本質的な状況は変わっていないようです。マスコミや食品業界はよくまあ次から次に「体によいもの」「危険な物質」を探し出してくるものだと感心しますが、まあ「健康によい」「体に悪い」といった食品をめぐる騒ぎは、たいていの場合話半分に聞いておくくらいでちょうどよいのではないかという気がします。

http://www.botanical.jp/libraries/nurtrition/archives/200202/24-1815/

イソフラボンisoflavoneはポリフェノールと総称される植物成分のフラボノイド類に属する、ホルモン(エストロゲン)様作用を持つ物質です。
フラボノイド類はポリフェノールの中でも多様性を持ち、有用性の高い、新発見の可能性が期待される分野です。フラボノイド類のイソフラボンは、窒素を土中より取り込み、タンパク質を合成するマメ科の植物に多く含まれます。その種類は1000種類を超えるといわれますが、人体への有用性が確認されているイソフラボンは数十種類といわれ、多くはありません。これまでの研究では、イソフラボンisoflavoneの最も含有率が高い豆類は、大豆とレッドクローバーですが、現在でも新たなイソフラボン資源を探索しています。

http://www.nikkeibp.co.jp/archives/421/421862.html

摂取量に上限値が設定された背景には、サプリメントなどにより大豆イソフラボンのみを過剰に摂取すると、女性ホルモンのバランスが崩れる可能性があり、月経周期の遅れや子宮内膜増殖症などのリスクが高まることも報告されていることがあります。

http://homepage2.nifty.com/~tjinfom/agtopiks108.html

要するに、大豆イソフラボンは、結合能は低いが女性ホルモンの受容体にも結合するということである。従って、大豆イソフラボンを大量に摂取した際には、女性ホルモン受容体と結合して生体に影響を与えることがある。これについては、多くの報告がある。例えば、大豆イソフラボンを1日当たり150mgを5年間摂取した女性は、子宮内膜増殖症と診断された。

そこで、国はヒトや動物に対する影響を調べた報告を参考にして、大豆イソフラボンを成分とする特定保健用食品の安全性評価を次のように考えている。数値がどのようにして得られたのか、詳しい説明は煩雑になるので省略する。

要約すると、日本人が日常大豆食品から摂取している大豆イソフラボンの量を調査し、それを基にここまでなら安全という限界値を定めた。次に、動物実験やヒト臨床試験の結果から生殖機能などへの影響レベルを調べ、そのデータを基にして特定保健食品として上乗せ摂取しても安全と思われる量を設定した。

大豆イソフラボンは、日本人が日常多量に摂取している。日本が世界一の長寿国であるのは、日本の食文化全体が寄与していると考えられるが、その中でイソフラボンを豊富に含む大豆食品が果たす役割は大きいと考えられる。しかし、そのような有用な天然物質でも、それだけを一定レベル以上に摂取すると、健康に悪い影響が出てくる。天然物質は安全だが、合成化合物は健康に悪影響を与えるということはない。どのような物質にも安全な閾値があり、それを超えると健康に悪い影響が出てくる。大豆イソフラボンの問題は、このことを明確に示している。

http://www.ime.or.jp/daitai/no5.html

英国の医学雑誌British Medical Journalの2004年5月29日号に大豆食品の摂取と内膜癌の発症に関する上海のグループの疫学的な研究結果が報告されました。

この研究では30〜69歳の子宮内膜癌の患者832例と年齢をマッチさせた対照群の846例について大豆たんぱく質または大豆イソフラボン量を指標として大豆食品の摂取量を調査し、子宮ガンの発症率を比較したところ大豆食品の摂取量が多いほど子宮内膜癌の発症率が低いことが示されました。又、この傾向はボディーマスインデックスが高い、またはウェスト対ヒップの比が大きいひとほど強く出ることがわかりました。すなわち肥満の人ほど大豆食品による内膜癌の抑制効果がより明確に現れるということです。

植物にはエストロゲンと化学構造の似た物質が含まれることが知られフィトエストロゲンと総称されています。その代表的なものが大豆イソフラボンで何種類かのエストロゲン類似物質が含まれていることが知られています。大豆以外にもヤムイモやカッコンなどにもフィトエストロゲンが含まれていることが知られています。フィトエストロゲンは化学構造がエストロゲンに類似するだけでなく実際に女性ホルモン作用をもっていますがその作用はエストロゲンほど強くはありません。しかもフィトエストロゲンは働く環境によっては抗エストロゲン作用を示すと考えられます。すなわちフィトエストロゲンは自身が弱いエストロゲン作用を持つとともに本来のエストロゲンが強く作用している環境下ではエストロゲンの作用を抑制するという性質を持っています。

では今回の研究結果から子宮内膜癌を予防するために健康食品として販売されているフィトエストロゲンを服用することが有用であるかというとそれは大いに疑問であって、フィトエストロゲンといえども一種のエストロゲンであり、状況次第では子宮内膜癌を促進させる可能性がないとは限りませんのでこの点は注意が必要です。今回の疫学的研究はあくまで大豆食品の摂取と子宮内膜癌の発症の関係を調べたものであり、その作用がフィトエストロゲンによるものと結論されているものではありません。肥満傾向にある女性が子宮内膜癌を予防するために大豆食品の摂取を心がけることは意義がありそうですし、少なくともフィトエストロゲンが含まれるからといって大豆食品の摂取を制限する必要はないと考えられています。しかし乳癌や子宮内膜癌の治療後の患者さんなどはエストロゲンの作用によって再発のリスクが高くなりますのでフィトエストロゲンのみを抽出した製品を服用される場合は主治医の先生とよく相談することが必要です。

アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル
やれやれ。