バリオスと黄色の13

エースコンバット4にはクラシックギターの曲が登場する。戦災孤児となった少年が成長して語るモノローグに流れるそれは、少年の父親が弾いていた曲であり、同時に親の仇として憎む「黄色の13」が弾く曲である。
命を狙い、常に近くで彼を見ていた少年は次第に心を惹かれるが、占領軍の兵士である彼は少年が身を寄せるレジスタンスにとっても敵である。この物語と共にあのBGMが心に残ったプレイヤーは多いはずだ。


探してみると掲示板などではバリオスの「最後のトレモロ」と書いている人がいる。
晩年浮気をしていたバリオスに、妻が気づいて毒を盛っていたが、バリオス
「死の恐怖と真実の愛を天秤にかけることはできない」
と言い放ってこの曲を残したともあった。面白い話だ。


「最後のトレモロ」は「過ぎ去りしトレモロ」とも呼ばれるが、原曲名は
「 Una Limosna por el Amor de Dios」(神の愛に免じて施しを)
というもので、物乞いにくる老婆の決まり文句だという。間断無く弾かれるトレモロの中で目立つメロディは、物乞いの老婆が戸を叩く音から生まれたとも言われる。「最後のトレモロ」と呼ばれるのはこの曲が遺作だからだ。
物悲しいだけでなく激しさもあり、変転していく曲。悲喜こもごもってところなのかな。

こんなエピソードだけ見るとAC04の曲は「最後のトレモロ」のように思うだろうけど、正解は「大聖堂」第一楽章。
Ⅰ.Preludio(Sudade)
「最後のトレモロ」はこれ。
最後のトレモロ(Real Audio)
最後のトレモロ(Media Player)

ある夜たまたま見ていたテレビ番組で、外国人の若手のギタリストがアンコールで弾いた曲で雷に打たれた。
 テロップには「バリオス作曲 最後のトレモロ」とだけ出ていた。それは一見感傷的なメロディーラインのなかに、質的に何か圧倒的な、ギターでなければまるきり不可能な音楽、それでいて完全に普遍的な響きが凝縮されていたような気がした。

http://www.k-mix.co.jp/ecs/cycle-p04.html

バリオスの曲は、ギターの特徴を素直に活かしたもので、そのためにギターのショパンとも言われています。
これもいい表現だと思いますが、私は、その詩的な印象から、ギターの吟遊詩人というイメージのほうがいいですね。

502 Bad Gateway
現在は人気がありますが、セゴビアに認められなかったので昔は評価が低かったようです。
バリオス・マンゴレ B面クラシック くれなずむ音楽/ウェブリブログ
http://www.eonet.ne.jp/~tk-guitar/segovia.html
子孫も活躍しているようだ。
http://homadream.com/articles/PianodeBarrios/barrios.htm
http://osteopathy.cool.ne.jp/NationalPark/fushimi-keimei/OpinionMusic.html
トレモロのやり過ぎはやめましょう。
バリオスの曲、「フリア・フロリダ」とかも良い。
フルネームは「アウグスティン・ビオ・バリオス・マンゴレ」かな?長い。